押入れなう。
アトピーゾンビ人生が心底嫌になり、ストレスがピークに達したので、すかさず押入れに篭もった。おそらく、一種の自己防衛本能が働いているのだろう。
押入れでじっとしていれば、真っ暗なのでアトピーゾンビウイルスに侵された体を見なくていい。悲惨な現実を見なくていい。余計な情報が入ってこない。幸福だ。
押入れの中は、この世界から断絶された異空間のようで心地よい。
ふすまの隙間から光が漏れている。覗いてみる。現実がある。現実怖い。現実いらない。消えてほしい。
ずっと押入れにいたい。何も見たくないし、感じたくない。
現実はこっち見ないで欲しい。向こうを向いていて欲しい。現実はアトピーゾンビのことが好きすぎる。もう少し嫌いになって欲しい。