明治の木造駅舎取り壊し検討 滋賀の近江鉄道、ロケ地にも
近江鉄道(滋賀県彦根市)が、明治時代に建てられた日野駅(日野町内池)の木造駅舎を2017年にも取り壊すことを検討していることが14日分かった。同町議会一般質問で、藤沢直広町長が明らかにした。
同駅は1900(明治33)年10月の近江鉄道本線八日市―日野間の開通と同時に開業。同社によると、正確な完成時期は不明だが、開業以来建て替えの記録はないという。風情ある木造駅舎は、テレビドラマの撮影にも使用された。
答弁によると、昨年12月に同社が、老朽化のため現駅舎を取り壊して簡易駅舎に改築する考えを町に伝えたという。藤沢町長は「約120年の歴史があり、周辺住民をはじめ多くの人に愛着を持たれている。日野の宝として、町の玄関口にふさわしい現駅舎の雰囲気を残し、交流できる場として活用できるように地域住民と一体になって協議していきたい」と話し、現駅舎の保存に向けて近江鉄道と協議を進めていることを明らかにした。
同社は取材に対し、「検討しているのは事実だが、まだ調整段階で何も決まっていない。町と話し合いを続けている」としている。
【 2016年03月14日 23時10分 】