こんにちは
大阪は曇り。今日は、頭痛で午前、寝込む。アカにやられた。午後に、これを書いている。
『愛国と信仰の構造 全体主義はよみがえるのか』の感想 (集英社新書、著-中島 岳志, 島薗 進)
未だに『軍国主義が復活する』ことを大勢が恐れている、と思い込み、そんなニーズに応えようと書かれた本。もうそんな不安をもつ人はいない。どうして、そういう時勢の変化を感じ取れない? テレビで軍国主義云々と言わなくなっただろう?
左派戦術家の中島 岳志と宗教学者の島薗 進が対談する。中島氏は、右派ナショナリズムが危険だと何度も確認しようとするが、島薗氏が宗教史の知識を示しながら、的確にそれは違うよ、と否定する構図である。
な ぜ、左翼で『反軍国主義』運動が盛り上がらないのか。『国家神道反対』が巷でメディアを賑わさなくなったのか。それを踏まえていない。
SEALDsなど若者は、国家神道すら理解しないからだ。軍国主義といっても、共産中国が独裁国家で、軍人を使ってチベットを弾圧している。日本の戦前もあんな感じとしか若者は受け取るようになったからだ。軍国主義の復活ということが、リアリティを持たなくなった。それが原因だ。著者はそれを勉強してなく、古い左派の戦術にとらわれていた。若いのに残念だ。
戦後の教育は、戦前の修身の教育や天皇崇拝、さらには軍事戦闘員を育成するものとは全く異なる。安倍首相が導入した道徳教育は、特に兵士の心得などもない。軍国主義とはまったくいえないと、大勢が理解するようになった。それが、多くに知られつつある。
中島氏はそういう議論があったことも知らないようだ。これは、私のサイトを読むとわかる。修身教育が、道徳教育とあまりに違うことを示したものを読むとよい。そこを読むと、すぐに納得できる。
大野思想研究所 -- 道徳教育論より
◎ 4,道徳教育は軍国教育でない証明
◎ 5,修身と道徳教育は異なる
◎ 6,道徳は皇民化教育ではない
で、未だに安倍首相=軍国主義と決めつけ、右派ナショナリズムが危険だという先入観で、歴史を省みるという勘違いな本。
中島岳氏は清風卒で大阪外大。1975年生まれで囲碁6段。私とは年度がかぶらないが、関西の大学OBで見かけたことがあるかもしれない。そう思うと親近感が湧いてきた。清風卒に知り合いがいるから、尋ねてみよう。
彼の持論は特異である。親鸞の一派が軍国主義に影響を与えた、とあった。立ち読みなので覚えてない。大阪の人間らしく、国家神道は明治以後の特殊なものだと言い切っていた。それは東京の人間にはできない表現だ。
ナショナリズムは右派ばかり語るのが狭い。島薗氏も辟易されていたようだ。左翼ナショナリズムの歪み(全共闘、社民、民主党、共産党)について、公正に考察してほしいものだ。
まずタイトルがおかしい。『全体主義がよみがえるか?』とある。彼の論では、下地に国家神道がなくてはいけないはずだ。が、現代にそんなに巨大な力をもった宗教がどこにもない。国家神道を支えにするような国家を統一するほどの宗教勢力は日本にない。だから、すぐさま、結論でき、『全体主義は蘇らない。なぜなら、戦前のような国民全体が信仰する大宗教が日本にないからだ。』と終わる。こんな自明のことも、明確に書けないようでは、説得力がない。
『日本会議』、『神道系列の宗教』。どれも小さくて、とてもじゃないが全ての学校で宗教教育までした全員参加の国家神道の比ではない。まばらに、信じる人だけが信仰するような宗教が散発的にあるのでは、とてもじゃないが、全体主義にはならない。
なにしろ、3-5割の無神論者や無宗教者が、そんな国家宗教に加わらない。他にも左翼に牛耳られたキリスト教も、独自の道をゆくだろう。多数の雑多な宗教も、国家の多額の援助金でも与えらない限り、国家統一宗教に加わる気もない。その宗教の国家合同に加わったら、加わったで、教義云々で分裂。とてもじゃないが、国家宗教としてまとまることはない。
日本会議という一部エリートが、画策しても、国家宗教にはならない。天皇を頂点としてまとまるはずがない。どのようにしたら、朝日や毎日、読売、産経・フジテレビのあの面々が、ある日、突然、天皇は神だと言い出し、宗教番組ばかり流すようにできるというのだろうか。
国家宗教が再来するというのは、ヒトラーが現れても日本では無理だ。共産党が日本を乗っ取っても無理だ。左翼リベラルがいくら反対しても、賛成しても、無理だ。安倍首相が、体が健康になって、命をかけてその首相の職を全うしても、無理だ。
タイトルからして、このように非現実極まりない。現実に存在しない脅威を煽っている。扇動に近い。
左翼はナショナリズムで、最近まとまっている。それがいくら集まろうが、リベラルの結集にならないように、右派ナショナリズムがいくら集まっても、国家宗教など誕生しようがない。そもそも、右派は日本国民と同じでたいてい仏教徒で、神社の葬式をあげる人は少ない。神道で統一できない。
日本を宗教でまとめるのは、これほど困難なのに、そんな危険があるという。町に出て、現実を見ろ。あの若者達に宗教を信じさせるのがどれほど困難か。町の宣教師でも成功しない。どうして、安倍ちゃんだけができるというのであろうか?
大丈夫です。全体主義は復活しません。共産党が解散することはあっても、民主党は嫌われてもなくならない。多党制は残る。全体主義が復活するとは、民主党をつぶすと=であることをどうして理解できないのだろうか。それが、どれほど困難なことか。困ったときには、富豪の鳩山氏と岡田氏が金を出して、すぐに復活する。イーオンが潰れないかぎり、ブリジストンが倒産しない限り、民主党との縁は切れません。どちらも、日本の発展のために、起こりえないだろう。
共産党政権は別だけど。どちらも国に接収するかもしれない。が、自民党は民力を大事にするから、それはない。
哲学の話 --
本日の被害
両目の内側が刺された。目が痛む。鼻をふくらませる症状になる時がある。朝、鼻あたりから軽い鈍い痛みがあった。毒が入れられた。その後、頭痛がして、午前中は寝込む。午後には、回復して、外出する。
以上