向日町競輪「廃止報道」を否定
16日に一部で報じられた「向日町競輪、4年後にも廃止」のニュースについて、京都府の関係者は改めて「廃止という話はない」と否定した。
向日町競輪は京都府が施行者だが、17年度から業務を民間に委託することが決まっている。期間は3年程度で、その後に収益が改善すれば、契約延長などの見直しを行う方向だ。向日町競輪場の岸本勇雄所長は「現在、向日町競輪が抱えている問題は施設の老朽化だけ。収益に関しては、毎年1億円程度の黒字を出している。長らく行ってこなかった府への繰り入れも、16年度には3億円できる。今後もミッドナイト競輪など、やり方次第でさらに収益を上げることは十分可能。廃止を論ずる以前の話だ」と説明した。
再び蒸し返された廃止論に現実味はなさそうだが、選手サイドは“風評被害”を危惧する。日本競輪選手会京都支部・窓場加乃敏支部長は「民間委託の期間に収益が上がれば、まだ続くということ。廃止の報道に関しては何も気にしていないが、誤解している方もいるようなので」と語った。副支部長の村上博幸は、「報道を見て驚いたが、自分たちがやるべきことは、レースで魅せていくこと。結果も出している。その他にも競輪場を使った地域イベントや社会貢献なども行っている。(廃止の)流れはないはず」と語気を強めた。13日に終わったG1「日本選手権」(名古屋競輪場)では、村上義弘が優勝。川村晃司が準優勝だった。
【向日町競輪場の存廃問題】
▽09年 「向日町競輪事業検討委員会」が発足。
▽10年11月 同委員会が「廃止はやむを得ない」と京都府に提言。
▽10年12月 村上博幸が立川「KEIRINグランプリ」で優勝。
▽11年3月 村上義弘が名古屋「日本選手権」で優勝。
▽11年12月 府は「中長期的な存続は困難」として、廃止を表明。ただし廃止時期は公表せず。
▽16年3月 府が17年度から開催業務の民間委託を決定。