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【社会】

震災5年「1000万署名」へ決意新た 脱原発854万人の思い一つに

添えられたメッセージの一部

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 東京電力福島第一原発事故後に脱原発を訴えようと、作家大江健三郎さんらの呼び掛けで始まった「『さようなら原発』一千万署名」(事務局・東京都千代田区)に、今も署名とメッセージが寄せ続けられている。一月までに集まったのは約八百五十四万筆。事故直後に比べてペースは落ちたものの、事務局の井上年弘さん(57)は「一千万の壁は大きいが、署名のことを知らない人たちに伝えたい」と訴えている。 (小林由比)

 署名は事故三カ月後の二〇一一年六月、大江さんのほか作家落合恵子さん、ミュージシャン坂本龍一さん、ルポライター鎌田慧さんらが呼び掛けた。最初の一年間で七百五十一万筆が集まり、その後も地道に数を積み上げた。政府には二度提出している。

 「数はもちろん力になるが、署名を通じていろいろな人たちが話をすることで、世論がつくられていることがとても重要だ」と井上さん。十人、二十人と集めた署名が全国から届き、月五千〜一万筆ペースで増えている。街頭署名で、中学生などの若い世代が歩み寄ってくれることもある。

「今も各地で署名を集めてくれる人たちのおかげで、数を積み上げている」と話す井上さん=東京都千代田区

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 政府は昨年、原発を再稼働し、「原発に頼らない社会を実現したい」と署名した人びとの思いとは逆に向かっている。一方、福島事故から五年を前にした今月、大津地裁で、再稼働した関西電力高浜原発(福井県)の運転が差し止められた。

 井上さんは「これを機に原子力政策に目を向ける人が増え、署名にもつながってほしい。粘り強く呼びかけ、当面は九百万筆の壁を突破したい」と気持ちを新たにしている。

 署名用紙はウェブサイト(「さようなら原発」で検索)からもダウンロードできる。問い合わせは「さようなら原発」一千万署名市民の会事務局=電03(5289)8224=へ。

 

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