動画で見よう「知ってる? マナー&ルール」<3>サイクリングロードは“みんなのもの” だからこそ自転車は思いやりのある走りをPR
スポーツ用自転車を安全で快適に楽しむ方法をお伝えする動画連載「知ってる? マナー&ルール」。今回は、サイクリングを楽しむ身近な舞台、サイクリングロードの安全な走り方について紹介していく。元プロロードレーサーの宮澤崇史さんと、モデルでトライアスリートの丹羽なほ子さんが東京の多摩川サイクリングロードを一緒に走行。様々な目的で憩いを求めてやって来る、他の利用者とのシェアをテーマに、安全で思いやりのある走り方を語り合った。
■宮澤さんに聞く「サイクリングロードの走り方」ポイント
<1>サイクリングロードは「自転車だけのものではない」
<2>走る前にバイクに異常がないかを点検
<3>手信号と声掛けでコミュニケーション
<4>「キープレフト」で左側通行
歩行者やランナーと共存できる走りを
宮澤さんが強調したのは「サイクリングロードは自転車専用道路ではありません。ここでは、自転車は“交通強者”という認識を忘れないことです」という点だ。
サイクリングロードと呼ばれる道路でも、通常は自転車とそれ以外の交通とが共存し、散歩を楽しむ歩行者やジョギングのランナーなども多数利用している。また河川敷であれば、周辺にスポーツグラウンドがあり、野球やサッカーなど様々なアクティビティーを楽しむ人たちが、サイクリングロードを通行したり横切ったりする。丹羽さんは「ボールを追いかけてくる人がいたり、犬の散歩をしている方もいますよね」と、自らの経験をもとに注意喚起した。
一般市街地ではクルマに比べて弱者だった自転車が、サイクリングロードでは一番速くて強い存在になる。だからこそ、共存できる安全な走りを心掛けたい。いつでも減速、停止できるようなスピードをキープし、2台以上で走る際にはスピードに応じて車間距離も確保しよう。
そして、歩行者を追い抜くときには相手への「声かけ」を積極的に活用したい。グループで走っていて、進路変更などの際に仲間に意思を伝える「手信号」の共有も、走行時の安全確保に有効だ。
すぐに役立つ4種類の手信号(例)
※サイクリストの間で広く利用されている手信号の例を宮澤さんが実演してくれた。ただし、他のジェスチャーによるサインもあるため、混乱が起きないようライド前に確認しておこう。手信号を使用する際の大原則は、仲間内でサインを共有しておくことだ。
①「停止します」は、手のひらを大きく広げて腰の後ろに示す。後続のライダーに見えやすいようにしたい。 ②「減速します」は手のひらを下に向けて押すように上下させる。
③「路面に注意」は、路上の落下物、穴など危険な場所を人さし指で示す。「段差!」など声掛けを併用するとなお安全だ。 ④「右に寄ります」は、路上で駐停車しているクルマや歩行者などを回避する際の進路変更などで示すサイン。右手を右に向けて押すような動作をゆっくり繰り返し、後方にアピールする。また、進路を変える際は、対面の交通状況を自ら再確認することが重要だ。
右折の際は右手で右方向を指差す。左折の際は、右手を肘から上方へ折り曲げて示すか、左手で左方向を指差す。ライドの際は、仲間の間でサインの意味を共有しておきたい。
「キープレフト」で衝突回避
サイクリングロードを快調に走る宮澤さんと丹羽さん。前方左側にゆっくり歩く歩行者に遭遇したが、丁寧な声かけと、手信号でスムーズに追い抜いた。見通しの悪いカーブで突然、前から走って来たサイクリストとすれ違う場面でも「キープレフト」を守り、衝突を回避した。
急に飛び出してきた歩行者に対して、宮澤さんと丹羽さんは車間距離をしっかりとっていたため、急ブレーキをかけても追突せずに止まることができた(再現映像)。
サイクリングロードを走り終えた宮澤さんは「道路の左側を1列でしっかり走りましょう。歩行者を抜くときには手信号と声掛けを忘れずに」と改めて注意点を確認した。
◇ ◇
※動画連載「知ってる? マナー&ルール」は、安全・安心で環境に優しいスポーツ用自転車の証「スポーツBAAマーク制度」を制定している「一般社団法人 自転車協会」のサポートを受けて取材しています。
Sponsored by 自転車協会