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【大相撲】

琴奨菊、土俵際はたかれ土ついた!! 「クソ〜、あ〜クソ〜」怒りぶちまけ

2016年3月18日 紙面から

◇春場所<5日目>

隠岐の海(左)にはたき込みで敗れた琴奨菊(石川彰保撮影)=エディオンアリーナ大阪で

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 (17日・エディオン アリーナ大阪)

 綱とりの大関琴奨菊(32)=佐渡ケ嶽=に土がついた。隠岐の海に土俵際ではたき込まれ、痛い初黒星。一方、稀勢の里、勢、逸ノ城の3人は全勝を守り、琴奨菊は追う立場となった。横綱陣は日馬富士が栃ノ心にとったり、白鵬は碧山に上手投げ、鶴竜が小結宝富士にすくい投げで勝っていずれも4勝目を挙げた。

      ◇

 わずかの差だった。立ち合いから琴奨菊ペースだった。右を差して一気に隠岐の海を土俵際まで押し込む。だが、はたき込まれて相手より少し先に体が落ちた。物言いが付いたものの、軍配通り相手に勝ちを拾われた。

 支度部屋に戻った琴奨菊は、モニター画面でリプレーを見てから「しゃあない」と反省しきりだった。「クソー」「あー、クソー」。攻め込んだ内容だけに初黒星の悔しさをぶちまける。「(土俵際は)分からなかった。アカンね。圧力は効いていると思うけど。もったいないね」。極められた右肘を冷やしながら、頭をかいた。

 朝からいつもと違った空気が漂っていた。全体の朝稽古が終わっても土俵外で立ち合いを確認。「腰、若干重いね」と電気治療も施した。4日目までなら自信に満ちていたが、迷いとも取れる言葉も。「勝ちにいくか、自分を求めに行くか」

 相手が隠岐の海だったからだ。過去の対戦は10勝3敗。だが、前回負けた昨年九州場所で琴奨菊は「胴が長い。ダックスフントみたいな体」と犬に例えて強さを表現していた。この日の朝稽古後も正面からの真っ向勝負と変化気味に上手を引く2つの戦い方を想定。選んだのは正面突破だった。

 「強くなるためには正面からぶつかっていかないと。結果は負けたけれど、自分の求めているものをしっかり出せた」。綱とりを見据えた選択に悔いはなかった。

 八角理事長(元横綱北勝海)は単なる1敗にすぎないことを強調した。「上に上がってもこういう状況はある。1敗で崩れない精神力、明日が大事だ」と背中を押す。琴奨菊も「紙一重の戦い。今後につながる負けだと思う」と帰り際に何度か笑みを浮かべた。ポジティブな琴奨菊が18年ぶりの和製横綱誕生へ向けて仕切り直す。 (永井響太)

 

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