清原被告が保釈　顔見せず松戸の病院へ直行

　覚せい剤取締法違反（所持、使用）罪で起訴された元プロ野球選手清原和博被告（４８）が１７日、勾留されていた東京・霞が関の警視庁本部から保釈された。保釈保証金は５００万円で、清原被告は現金で即日納付した。２月２日の逮捕から４４日ぶりに勾留を解かれた清原被告は、弁護士を通じて「心よりお詫び申し上げます」などとコメントを発表。肉声を発することはなく、地下駐車場から車で警視庁本部を後にし、そのまま糖尿病などの治療のために千葉県松戸市内の病院に入った。初公判は５月１７日に東京地裁で開かれる。

　清原被告が、２月２日の逮捕から４４日ぶりに保釈された。報道陣や見物人が約６００人集結、スチールカメラやテレビカメラは５０台以上が並び、上空には数台のヘリコプターも飛び交う物々しい雰囲気の中、午後６時５２分、清原被告の乗ったシルバーのワンボックスカーが警視庁本部の地下駐車場から出てきた。中の様子が見えないよう、後部座席より後ろはカーテンでガッチリと閉め切られ、そのまま走り去っていった。

　同じ覚せい剤取締法違反（所持、使用）などで逮捕、起訴された女優酒井法子（４５）や歌手ＡＳＫＡ（５８）が保釈された際は、勾留されていた警察署の玄関前に姿を見せ、頭を下げるなどの光景が見られた。しかし、警視庁本部はそのようなスペースがなかったことも影響したようで、姿を見せることはなかった。弁護士を通じて書面で発表したコメントで、そのあたりの事情を説明している。

　コメント（原文のまま）では「本来であれば、保釈された直後にも、皆様の面前でお詫び申し上げたいと考えておりました」としつつ「警視庁から、周辺道路の安全を確保する必要があり、そのような振る舞いは差し控えるようにとご指導をいただきました」。清原被告によれば、警視庁にストップをかけられたことも考慮したという。

　１０台ほどのオートバイや上空からヘリコプターも車を追跡する中、向かった先は千葉県松戸市内の病院。コメントで「持病の糖尿病等の検査・治療のためにしばらく入院させていただく予定」と明かしている。覚せい剤など薬物依存の治療も行われるとみられる。

　清原被告は「一から出直し、必ず更生することを決意しています。必ず人の役に立つ人間になることを心に誓っております。いつか機会をいただき、直接皆様に謝罪したいと切に願っています」ともつづった。判決が出た後には、謝罪会見をする意向も示した。

　東京地検は２月２３日に所持罪、３月１５日に使用罪で起訴し、弁護人が１６日に地裁に保釈を請求していた。地裁は、逃亡や証拠隠滅の恐れがないと判断したもようだ。