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【首都スポ】

慶大・宮地主将「須田監督を男に」 泥くさく我慢強く64年ぶりリーグVへ

2016年3月18日 紙面から

パワーを付け、チームを引っ張る慶大ソッカー部の宮地元貴主将=横浜市の慶大下田体育会施設で(北田美和子撮影)

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 第90回関東大学サッカーリーグ戦(東京中日スポーツ後援)の開幕が約2週間後に迫っている。1部リーグ昨季上位校の新主将たちに今季の抱負を聞く連載、「リーダー蹴春トーク2016」の第4回。今回は慶大の宮地元貴(3年・東京Vユース)が語る。センターバックとボランチをハイレベルでこなし、Jクラブが獲得を狙う逸材。1952年から遠ざかっているリーグ優勝のためにチームに身をささげる。 (取材・構成、関孝伸)

 −慶大はどのようにして主将を決めるのでしょうか?

 宮地「新4年生の投票で決めます。僕たちの同期は26人で、そのうちの20人が僕がいいと言ってくれました」

 −票数がわかるのですか?

 「投票といっても、紙に書くわけではなくて口頭で言うので、数は分かるんです」

 −主将に決まったときにはどのようなことを思いましたか?

 「慶応に入ったときから、主将に選ばれても恥ずかしくないような行動をしようと、ずっと意識してやってきました。ですから、それが周りにも評価してもらえたということで、すごくうれしく思いました」

 −年が明けてから、宮地選手自身は、プロチームの練習に参加したり、大学の選抜チームの活動があったりで、慶大の練習にはまだあまり参加できていません。チームづくりに直接関わることが難しい状況です

 「留守中も須田監督や同期のメンバーとは連絡を常に取り合っていて、チームのことを把握できるようにという努力はしています。ただ、実際にはほかの同期にチームを引っ張ってもらっているのが現状です。本来は僕がやらなければいけない役割を果たせていないので、みんなには申し訳なく思っています。とても感謝してもいます。僕としては、プロや選抜に行って感じたことや吸収したことをチームに還元したり、自分自身が成長してプレーでチームに貢献していかなければなりません」

 −主将として、何か特別なアクションを起こしていますか?

 「部への帰属意識やグラウンド外でのやりがいを感じてもらうための環境づくりとして、今年から全部員に仕事を与えるようにしました。応援、管理、指導、対外、リサーチ、フィジカル、マネジメント、企画という8部門の組織をつくって、全員が何かしらの役割を受け持つようにしたんです。去年までは気づいた人間が自発的にやるようなところもあったことをシステム化しました。去年、大学4冠に輝いた関学が同様のことをやっていて参考にしました」

 −去年のリーグ戦は惜しくも3位でしたが、何が足りなかったと感じていますか?

 「すべてですが、対策のひとつとして、今年は特にフィジカル面を強化して臨もうと思っています。練習の最初の30分を監督からいただく形で、フィジカルトレーニングにあてています」

 −勝負どころで勝てなかった印象があります

 「勝利への執念が結果的に勝敗を分けたと感じています」

 −リーグ優勝した早大や2位の明大に比べて、慶大は校風としてスマートさを感じますが、そのあたりが出てしまうのでしょうか?

 「僕としては、気持ちの部分で負けるのは悔しいですし、言い訳にもしたくありません。今まではそこで負けていましたが、今年は逆に、泥くささや我慢強さといったところが慶応の強みになるようにしたいと考えています。監督も『真の慶応ボーイはチャレンジャー精神をもって、ひたむきに、がむしゃらに、謙虚にやるものだ』とずっと言っています。ラグビーの世界では、バックスの早稲田、フォワードの明治、魂の慶応と言われているようですが、サッカーの世界でも、魂を込めて戦う慶応を目指します。自分に厳しく、チームに厳しく、でも、試合ではみんなで力を合わせて頑張るという集団にしようと思っています」

 −今年のチームのスローガンとして、「本気」になることを掲げました

 「チープに聞こえるかもしれませんが、新4年生がチームのために『本気』になって全力を注いで、そして、その姿を見て下級生がしっかりとついてきてくれるようにします」

 −早大や明大よりも主力が多く残っています。今年は優勝しかないでしょう?

 「ライバルの早稲田に対して、去年は定期戦を含めて3戦全敗でした。慶応は、早稲田のほか、流経や専修との相性が良くありませんが、そこに勝たない限り、優勝はありません。優勝する自信はありますし、今年は勝利にこだわりたいので、全勝優勝を目指します。実際、今年の慶応は強いという前評判のようですが、そこでおごる気持ちが出たら終わりですし、優勝するためにはひとりひとりがストロングポイントをもっと伸ばしていく必要があります。今年のチームのプロ志望者の数は今までの慶応にはなかった多さなんです。僕も含めて、自分自身の将来のためにも、チームが勝つことで個人の評価を高めていきたいと思います。ただ、僕個人としては、監督を男にしたいという思いがあるので、ここからはプロ入りのことはひとまず置いておく形で、まずは慶応でのプレーに集中します」

    ◇

 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」面がトーチュウに誕生。連日、最終面で展開中

 

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