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朝日の記事「原発の不安あおる」 鹿児島県、規制委が猛反発 川内原発周辺のモニタリングポストに有識者「問題なし」
県は、67地点に計74台の測定装置を置いた。
川内原発から30キロ圏内でみると、線量が比較的高い毎時100ミリシーベルトまで測定できる装置を42台、線量が低い同80マイクロシーベルトや同10マイクロシーベルトまで測れる装置を計29台設置している。「1マイクロシーベルト」は「1ミリシーベルト」の1千分の1だ。
高線量と低線量、双方が測れる装置を組み合わせて配置したのには、わけがある。低線量用の計測装置で高い放射線は測れない。逆に高線量用の装置で、低い放射線は正確には計測できない。
体重計で1グラムの重さを量れないことを想像してもらえばよい。高線量に対応する装置しかなければ、仮に原発から放射性物質がわずかに漏れた場合、把握できない恐れもある。
双方の装置を組み合わせ、万一の事故に備えるというのが、鹿児島県の言い分だ。
県原子力安全対策課の岩田俊郎課長は「わずかな線量の違いを把握できるのは低線量が測れる装置。住民避難には、高線量と低線量の測定装置をバランスよく配置することが必要だと考えている」と説明した。
常識の備え
朝日の記事に、こうした鹿児島県の言い分は載っていない。5~30キロ圏の装置のうち、ほぼ半数が毎時80マイクロシーベルトまでしか測定できないことを取り上げ、「態勢が不十分」と批判した。