韓国の金融競争力は6位なのか、87位なのか 

■断片的指標だけで信頼できず

 しかし、IMFの評価をめぐっては、信頼できないとの反応が大勢だ。183カ国・地域を比較するため、共通のデータを選んだところ、断片的な数値指標だけが反映されたというのがその理由だ。例えば、金融市場の効率性は、株式の出来高を時価総額で割った回転率だけで評価した。韓国の株式市場は通貨危機以降、外国人に完全に開放されたため、韓国は同部門で世界1位となった。東国大のカン・ギョンフン教授は「金融は目に見えない情報を扱う産業であり、単純な指標だけで評価するには限界がある」と指摘した。

 そうかと言って、WEFによる87位という評価にも納得がいかないという意見が多かった。WEFは8項目のうち7項目について、韓国の企業経営者にアンケートを取った。企業の生産性向上に金融がどれほど役に立ったかといった内容だったが、金融に対する企業経営者の不満ばかりが偏って反映されたとみられるからだ。WEFの調査では、15歳以上の国民10人のうち7人が銀行口座を持たないウガンダが韓国を上回る81位、成人10万人当たりのATM台数が4台しかないルワンダが28位となった。

 このため、韓国の専門家は韓国の金融競争力がIMFとWEFによる評価の中間にあると判断した。韓国の経済規模がGDPベースで11位であることからみて、製造業よりは競争力が劣る金融は世界30位前後ではないかと推定した。数値指標とアンケートの双方を反映させたスイス国際経営開発研究所(IMD)の調査では、韓国の金融競争力は昨年、61カ国中31位だった。韓国開発研究院(KDI)のク・ジャヒョン研究委員は「IMDの調査対象国がさらに多いとしても、韓国は30位圏の順位を維持するのではないか」と話した。

 順位にこだわるよりも、将来の発展を重視すべきだとの意見もある。崇実大金融学部のユン・ソクホン教授は「機関による評価を自慢したり悲観したりする理由はない。韓国に委ねられた制度改革、国際化などを推進すべきだ」と述べた。

崔炯碩(チェ・ヒョンソク)記者
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