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とあるおっさんのVRMMO活動記 作者:椎名ほわほわ
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番外話、バレンタインネタ・・・

バレンタインに何か書かないのですか?
そういうリクエストにアースたちで答えさせてみました。
バレンタイン、それは愛の絆の日。
古代ローマから受け継がれた苦難に打ち勝つ愛を謳う日。
……なのに日本に入ってきたらチョコレート戦争になってしまった日。
本来なら男性が女性に対して愛を語る日なのだが……。

「せっかくだから、バレンタインのネタでも喋ろうぜ?」

唐突に言い出したのはツヴァイ。
イベントモンスター、「ラプチョコメリー」がドロップした
片思いのチョコレートなる物をがりがりかじっている。
ちなみに両思いのチョコレートはかなりのレアドロップらしく、
この世界でのカップル達が意地でも手に入れようと走り回っている。

「しかしなぁ、自分には良い思い出がない、チョコも食えない体質だし」

とアースは返答する。
アースはいくつかのアレルギー持ち体質で苦労することが多い。
それゆえの誤解を受けて、嫌われた過去があったりする。

「チョコたべれないんだ!? うーん、体質じゃしょうがないけど……」

そう答えるロナ。逆に彼女はチョコレートが大好物だったりする。
あまり口にするとウェイトがどうしてもなので控えてはいるが。

「最近じゃ、むしろ贈る先は女性同士だって話だしな」

こちらはレイジ。リアルでもなかなかにモテる奴である。
だが面倒見がいいのでリアルで恨みを買う事はまず無かったり。

「そうですねえ。私も今年は贈る男性の方はお父さんぐらいですね~」

とミリー。彼女はのんびり屋の部分で変に同性にもてる。
悪意がないほえほえ笑顔に癒されるのだとか。
……本気でミリーが怒った時はその笑顔に龍を見るらしい。
ちなみににツヴァイは一回見ている。理由は語りたがらないが。

「まあ、貰ったチョコレートの数の競争とかもあまり此方ではないですね」

とカザミネ。彼はコンスタントに数個義理を貰うタイプ。
固執してないため、渡しやすいらしい。
そして固執しないため、本命が混ざっていてもスルーしてしまうのだが。

「なんだ、草食ばっかりなの? もうちょっとがっついてもいいんじゃない?」

ノーラは不満そうだ。活発な彼女にとっては穏やか過ぎる話の内容で
つまらないと言った所か。
彼女からターゲットに指定された男はおそらく逃げ切れないだろう。
色々な意味で、だ。

「じゃあノーラ、俺にチョコくれ、もちろん本命で♪」

言うまでもないがツヴァイである。彼はある意味チャレンジャー。

「いいわよ、じゃあ本命の短剣と水魔法の味をプレゼントしてあげる♪」

そう告げてギルドエリアで突然始まるPvP。
この騒がしさもこれと言った事がないときにはお約束の風景である。
ケンカするほど仲がいいとは言うが、とアースがふと言った時には
「友達ならいいけどね~、恋人としてはお断りかな」
と一刀両断だったりする、哀れツヴァイ。

ツヴァイがノーラにぼこぼこにされる姿を肴にアース手作りの料理を
パクつくほかのメンバー、ふと、ミリーが話し出した。

「恋人っています? こっちでもリアルでもいいですけど~」

一瞬場が静かになる。(ツヴァイとノーラはPvP中なので聞こえてない)

「いないな、恋はもうこりごりだし」

開口一発で言い出したのがアース。それに続いて……

「いないなぁ」「いませんね」

と、ロナとカザミネが続いた。

「居る……詳しくは話さんぞ?」

ぼそっとレイジが告白する。ロナとミリーの目の色が変わったのを
アースとカザミネは見た。ああ、恋バナに食いつかない女性はまずいない。
あまりに追求が激しく、普段慌てないレイジがかなりタジタジになっていたので
アースとカザミネが割って入るハメになった。

なんでも、リアルの恋人もワンモアを遊んでいるとの事。
これ以上は勘弁して欲しいとリアルだったら間違いなく汗をかいている
レイジが疲れた声でため息をついていた、ああ、かなり疲れてるな。

「ツヴァイとノーラは……恋より今はケンカ友達かね?」

アースが自分の考えをこぼす。
PvPの決着がついており、重鎧を着て相当な防御力があるツヴァイを
あっさり叩きのめしたノーラがこれ以上ない笑みを浮かべていた。
すっきりしたといわんばかりだな……重ね重ね、ツヴァイ、哀れ。
まあそれもツヴァイの歩くべき道なのかもしれないな。
ギルドマスターにしてギルドのオチ担当。
不名誉かもしれないがそれは絶対的な定め。
ギルマスはカリスマが低いと弄られやすい物である。

「何話してたの?」

とノーラが聞いてくるので、 恋人が居るかどうか~を話していたと
教えておく。

「分かっちゃうかもしれないけどアタシも特定の恋人は居ないなぁ。
 欲しくないわけじゃないんだけどね~」

と、猫……いやトラのような威圧感を持って話す。
流石にこの威圧感ならツヴァイもボケることはできま……

「じゃあ、ここで立候補するぜ! ちょうどバレンタイン!
 愛を語るには絶好の日だぜ、ノーラ♪」

……いや、ツヴァイはこういう奴だった。
笑いとかお約束を意地でもフラグを立てて行きたがるタイプ。
……だけどこういう奴こそが本当の愛を手に入れるのかもしれない。

それが『今』ではないというだけで。

再び始まったPvPという名のお仕置きタイムを他のメンバーは
意識の外に追い出してスルーする事にした。
一方的にノーラが最近習得したという鞭まで持ち出してツヴァイをぼこぼこに。
やっぱりケンカ友達止まりかな、あの二人は。
それもまた一興、見ている分には面白いからなぁ。

「たまにはこんな話をしながらのんびりするのも悪くないかな」

そういって息を吐くアース、その呟きに……

「アース、おじさんっぽいよ~?」

とロナのツッコミが厳しく入る。
心を老けさせたくないという部分もあってワンモアをやっているアースにとって
クリティカルヒットな口撃(誤字にあらず)となる。
orzの体勢になり落ち込むアース。それをいいこいいこして慰めるミリー。
なかなかに珍妙な風景がそこにあった。

夜も更けたのでそろそろ解散しますか、という事になり、
せっかくだからとSSスクリーンショットを取ってから解散の流れとなった。

こういった何気無い日常こそ、実は大事なものだったりする。
だが、それを意識せずに過ごせる仲間がいる彼らは幸せ者だろう。
たとえPvPでぼっこぼこにやられていたとしても、だ。

番外編のためスキル表記はありません。
というわけで本編には一切関係がない話でした。
リクエスト、こんな駄文で答えた事になるかな?
cont_access.php?citi_cont_id=878026187&s
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