伊藤舞虹
2016年3月18日21時46分
認可保育施設に申し込んで入れなかったのに「待機児童」と認定されなかった子どもが、昨年4月時点で少なくとも4万9千人いたことがわかった。自治体が待機児童と認定したのは同時期で2万3167人。その倍以上の「隠れ待機児童」がいたことになる。塩崎恭久厚生労働相が18日の衆院厚労委員会で、山尾志桜里氏(民主党)の質問に対し、明らかにした。
待機児童は、自治体にあった保育利用の申込者数から認可施設に入った子どもの数などを引いて計算する。厚労省の定義では、「特定の施設を希望し、空きがあって通える施設を利用しなかった」と自治体が判断したり、自治体の補助を受ける認可外施設に入ったりしたら、待機児童の対象外になる。
昨年4月時点で、「特定の施設を希望」を理由に待機児童に含まれなかったのは3万2106人。保護者が特定の保育所にこだわるケースがある一方、自治体が「自宅から通える」と判断しても通勤経路と逆方向にあったり、きょうだいで別々の施設だったりして利用を断念した事例もある。
東京都の認証保育所や横浜市の横浜保育室、堺市のさかい保育室といった自治体が基準を定めて補助する認可外施設に入所できた児童は1万7047人。こうした児童はかつて、待機児童に含まれていた。
ほかに認可施設に入れられず育児休業を延長したケースは待機児童に含めなくてもよいとされ、自治体によって数え方が違う。厚労省はこの人数を公表していない。
山尾氏は、待機児童が少ないとされる自治体に引っ越したのに入れず困っている親がいると指摘。「最後は子どもにツケが回っている」として全体数の公表を求めた。塩崎氏は自治体側から意見を聴くとした。(伊藤舞虹)
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