アンカラ=渡辺丘
2016年3月18日18時28分
トルコの首都アンカラで起きた大規模爆発で、クルド系武装組織「クルディスタン解放のタカ」(TAK)が犯行声明を出すなか、トルコ人口の約15%を占めるクルド系住民が嫌がらせを受けるなど苦境に立たされている。
爆発現場に近いカフェバー。閑散とした店内で16日、クルド系店員のラマザン・ザザオールさん(40)は「事件が起きると国家主義者の敵対感情が一気に強まり、クルドへの風当たりが厳しくなる。何をされるか怖い」と話した。
昨年夏、店内で客にビールを出していると突然、窓ガラスが割れた。何者かが投石したのだ。昨年6月の総選挙でクルド系政党・人民民主主義党(HDP)が29議席から80議席に躍進。その後、同党のビルが放火されたり、クルド人が営む店が投石されたりする事件が相次いだ。「街中でクルド語を話すとにらまれ、『下品なクルド人』とののしられた」とザザオールさんは振り返る。
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朝日新聞国際報道部
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