阿部健祐
2016年3月18日18時47分
山陰から北陸3県沖にかけてのズワイガニ漁が、20日に漁期を終える。昨年11月6日に解禁された今季は、近年で最も高い水準の値をつけた。カニの密漁・密輸を防ぐための協定が2014年末に発効してロシアからの輸入が急減。国産が奪い合いになったためのようだ。高値は来季以降も続くとの見方も出ている。
鳥取県水産課によると、オスのズワイガニの水揚げ量は昨季なみの約230トン(2月末時点)。だが漁港での競り値は約2割高い1キロ平均約4780円で、ここ20年では1996年の漁期(5289円)に次ぐ。県漁協の大磯一清代表理事専務(57)は「ロシア産の輸入が少なかった90年代前半のようだ」と話す。北陸も同様の傾向だ。福井県によると2月末まで1キロあたり8千円弱と昨季より2割以上高く、93年以降では最高。石川県も今月中旬までで、過去5年の平均より6割高い5170円という。
ズワイガニを含め日本で出回るカニの多くは外国産で、財務省によると輸入量は国産の約1・5倍の年間約4万4千トン(14年)。うち6割強の約2万7千トンをロシア産が占めている。
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朝日新聞社会部
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