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教科書検定 新基準など最近の見直し点は3月18日 19時15分
来年4月から使われる高校の教科書の検定が行われました。子どもたちが学校で使う教科書は、民間の教科書会社が作り、文部科学省の審議会が行う検定に合格したものです。検定では、修正が必要だと審議会が判断した部分に意見が付けられ、教科書会社はその意見を受けて内容を修正し再び審議を経て合否が決まります。
地理歴史、公民など社会科分野の教科書についてはさまざまな見直しが行われました。通説が定まっていない事柄はそのことを明記したうえで誤解のない表現にすることや、政府の統一的な見解や確定した判例がある場合はそれに基づいた記述にすることなどを定めた新たな検定基準がおととし告示されました。
審査要項も見直され、愛国心などを盛り込んだ教育基本法の目標に照らして重大な欠陥があると判断された教科書は不合格にすることが明記されました。
さらに、教科書の作成や授業の指針となる「学習指導要領の解説書」も改訂されました。島根県の竹島と北方領土については、我が国固有の領土であることや、国際法上、正当な根拠に基づいて日本の領土に編入した経緯に触れるよう求めています。沖縄県の尖閣諸島は我が国固有の領土であり解決すべき領有権の問題は存在していないことなど、理解を深めさせることが必要だとしています。
こうした見直しは昨年度の検定から適用され、高校の教科書に適用されるのは今回が初めてです。
審査要項も見直され、愛国心などを盛り込んだ教育基本法の目標に照らして重大な欠陥があると判断された教科書は不合格にすることが明記されました。
さらに、教科書の作成や授業の指針となる「学習指導要領の解説書」も改訂されました。島根県の竹島と北方領土については、我が国固有の領土であることや、国際法上、正当な根拠に基づいて日本の領土に編入した経緯に触れるよう求めています。沖縄県の尖閣諸島は我が国固有の領土であり解決すべき領有権の問題は存在していないことなど、理解を深めさせることが必要だとしています。
こうした見直しは昨年度の検定から適用され、高校の教科書に適用されるのは今回が初めてです。
新検定基準に基づく意見は5件
今回、新たな検定基準に基づく意見は次の5件で、いずれも地理歴史の科目のひとつ「日本史」の教科書の記述です。
関東大震災の発生後、混乱のなかで殺害された朝鮮人の人数について、2点の教科書の記述に「通説的な見解がないことが明示されておらず、生徒が誤解するおそれのある表現である」という意見が付きました。1点は本文で「6000人以上」と書いていましたが、検定意見を受けて教科書会社は「おびただしい数」としたうえで、注釈欄で人数の異なる複数の報告書や調査結果を紹介し「虐殺された人数は定まっていない」という記述を加えました。もう1点は注釈欄で「数千人」と書いていましたが、「数百人~数千人など諸説あるが、通説的な見解は定まっていない」と修正しました。
また、日本の統治下に置かれていた朝鮮半島で起きた独立運動、いわゆる3・1独立運動の死傷者について、1点の教科書の「7500人」という記述に対し「通説的な見解が明示されていない」と意見が付きました。教科書会社は「おびただしい数の死者」と修正したうえで、注釈欄で複数の調査結果を紹介し「人数は定まっていない」という記述を加えました。
さらに、南京事件での日本軍による犠牲者の人数について「中国人20万人を殺害し」などと書いた1点の教科書の記述にも同じ意見が付き、「おびただしい数」と修正したり、「殺害された総数には約20万人、10数万人、数万人などの見解があります」と記述したうえで、なぜ見解の違いがあるのかを考えさせたりする内容に修正されました。
さらに、日本の戦後補償を取り上げた1点の教科書の1ページ全体に「政府の統一的な見解に基づいた記述がされていない」という意見が付きました。修正を経て合格した記述では「慰安婦問題や強制労働問題など、戦後補償を求める動きに対して政府は、国家としての戦後補償問題は各国との条約で解決済みであり、個人に対する補償には応じられないとしている。また最高裁でも同様の判断がなされている」などと書かれています。
関東大震災の発生後、混乱のなかで殺害された朝鮮人の人数について、2点の教科書の記述に「通説的な見解がないことが明示されておらず、生徒が誤解するおそれのある表現である」という意見が付きました。1点は本文で「6000人以上」と書いていましたが、検定意見を受けて教科書会社は「おびただしい数」としたうえで、注釈欄で人数の異なる複数の報告書や調査結果を紹介し「虐殺された人数は定まっていない」という記述を加えました。もう1点は注釈欄で「数千人」と書いていましたが、「数百人~数千人など諸説あるが、通説的な見解は定まっていない」と修正しました。
また、日本の統治下に置かれていた朝鮮半島で起きた独立運動、いわゆる3・1独立運動の死傷者について、1点の教科書の「7500人」という記述に対し「通説的な見解が明示されていない」と意見が付きました。教科書会社は「おびただしい数の死者」と修正したうえで、注釈欄で複数の調査結果を紹介し「人数は定まっていない」という記述を加えました。
さらに、南京事件での日本軍による犠牲者の人数について「中国人20万人を殺害し」などと書いた1点の教科書の記述にも同じ意見が付き、「おびただしい数」と修正したり、「殺害された総数には約20万人、10数万人、数万人などの見解があります」と記述したうえで、なぜ見解の違いがあるのかを考えさせたりする内容に修正されました。
さらに、日本の戦後補償を取り上げた1点の教科書の1ページ全体に「政府の統一的な見解に基づいた記述がされていない」という意見が付きました。修正を経て合格した記述では「慰安婦問題や強制労働問題など、戦後補償を求める動きに対して政府は、国家としての戦後補償問題は各国との条約で解決済みであり、個人に対する補償には応じられないとしている。また最高裁でも同様の判断がなされている」などと書かれています。
領土に関する記述への検定意見は22件
領土に関する記述への検定意見、22件はいずれも教科書作成や授業の指針、「学習指導要領の解説書」が改訂されたことに基づくものです。
このうち最も多かったのは「尖閣諸島に領有権問題があるかのように誤解する」という意見で11件でした。今回の検定に地理歴史と公民の教科書を申請した8社のうち7社の教科書、11点に同じ意見が付きました。例えば公民の科目のひとつ「現代社会」のある教科書は、「中国が尖閣諸島の領有を主張している。これらはいずれも日本固有の領土であり、早期の解決が望まれる」と記述していましたが、意見を受けて「中国が尖閣諸島の領有を主張しているが、日本は『領土問題は存在しない』との立場をとっている」と修正しました。
次に多かったのは竹島と北方領土について「我が国が平和的解決を求めて努力していることが理解し難い」という意見で9件でした。
ある「政治・経済」の教科書は「韓国が竹島に一方的に駐留し、占拠し続けている」と書いていましたが、「竹島の領有権の解決に向けて、日本は国際司法裁判所に付託することを韓国に数度提案したが、韓国はこれを拒否し続けている」という文章を加えて修正しました。
このほか、尖閣諸島と竹島を巡り「正当な根拠に基づいて領土に編入した経緯が理解し難い」という意見が2件付き修正されました。
改訂された「学習指導要領の解説書」は、昨年度の中学校の教科書検定から適用されました。昨年度は領土に関する記述がそれまでの2倍以上に増えましたが、検定意見が付けられたのはある公民の教科書の記述、1件だけでした。
文部科学省は「今回は『学習指導要領の解説書』に対する意識が低く、十分に記述されていなかったと言わざるをえない。検定意見が多くなったのは、領土を巡る歴史的経緯や日本の立場を生徒たちがしっかり理解できるような記述を求めた結果だ」と話しています。
このうち最も多かったのは「尖閣諸島に領有権問題があるかのように誤解する」という意見で11件でした。今回の検定に地理歴史と公民の教科書を申請した8社のうち7社の教科書、11点に同じ意見が付きました。例えば公民の科目のひとつ「現代社会」のある教科書は、「中国が尖閣諸島の領有を主張している。これらはいずれも日本固有の領土であり、早期の解決が望まれる」と記述していましたが、意見を受けて「中国が尖閣諸島の領有を主張しているが、日本は『領土問題は存在しない』との立場をとっている」と修正しました。
次に多かったのは竹島と北方領土について「我が国が平和的解決を求めて努力していることが理解し難い」という意見で9件でした。
ある「政治・経済」の教科書は「韓国が竹島に一方的に駐留し、占拠し続けている」と書いていましたが、「竹島の領有権の解決に向けて、日本は国際司法裁判所に付託することを韓国に数度提案したが、韓国はこれを拒否し続けている」という文章を加えて修正しました。
このほか、尖閣諸島と竹島を巡り「正当な根拠に基づいて領土に編入した経緯が理解し難い」という意見が2件付き修正されました。
改訂された「学習指導要領の解説書」は、昨年度の中学校の教科書検定から適用されました。昨年度は領土に関する記述がそれまでの2倍以上に増えましたが、検定意見が付けられたのはある公民の教科書の記述、1件だけでした。
文部科学省は「今回は『学習指導要領の解説書』に対する意識が低く、十分に記述されていなかったと言わざるをえない。検定意見が多くなったのは、領土を巡る歴史的経緯や日本の立場を生徒たちがしっかり理解できるような記述を求めた結果だ」と話しています。