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<阿多羅しい古事記>
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20代の男性と話したら、彼は憲法改正に賛成なのだと言う。
中国の経済力が増す一方で、日本の人口減によって、国力差が拡大していくのだから、軍備増強は当然である。向こうが撃ってくるかも知れないのに、無抵抗に待っているなんて考えられない。
撃ってきたら、撃ち返すんだ。
撃ってくる前に、撃ち倒すんだ。
勇ましい意見である。
彼自身がきっとこれまで、そうして生きてきたのだろうと思う。
受験戦争で勝ち続け、就職試験でも勝ち抜いてきた自分の経験から
彼は、勝つためにはどうすれば良いのか、疑い無い本能のように
確信しているのだろう。
けれど、彼が考えている戦争とはどういうものか?
もしかすると、彼が子供の頃に遊んだゲームのように、破壊された建物の中で敵を撃ったり、時には間違って味方を撃ったり・・・
しかし、敵を倒すと点数が上がり、味方を倒すと点数は下がるが
総合的に、死んだ敵の数が味方の数より多ければ良いわけだ。
彼は、こう言うだろう。
「間違うこともあるさ、人間だから。」
半世紀も前に、私は軍人の一人がそう言うのを聞いた。
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