Lightroomは写真編集・管理アプリですが,Photoshopとちがって手の込んだ編集には不向きです。しかし,Photoshop程ではないにしても,たくさんのツールが用意されているので,それらをうまく使えばPhotoshopなしにかっこいい写真にすることができます。
今回は普通の写真を少し色あせたフイルム風にしてみようと思います。もちろん,フイルム風にするためのアプリ(DxOやVSCOなど)や,Lightroom用のプラグインもたくさん存在しますが,今回はそれらを使わずに,自分の手で仕上げてみたいと思います。
1. 画像を用意
今回もガッツリ編集するので,できればJPEGよりもRAWの方がいいです。ただ,JPEGでもそれほど荒れることはないと思いますが…
また,カメラキャリブレーションでプロファイルを出来るだけニュートラルな,味付けの少ないものにしてください。Canonなら「Camera Faithful」,Nikonなら「Camera Neutral」です。よくわからない場合は「Adobe Standard」でもいいかもしれません。
2. 色温度,露出,彩度を調整する
「色温度」は基本的に調整する必要はないと思いますが,しいていうなら適正よりもすこしブルーより(=低め)の,つまり日中なら4500Kぐらいにするといいかもしれません。また,「色かぶり補正」で若干,-15程度グリーンよりにしておくと色がコケた雰囲気となって,一層面白いかもしれません。
「露光量」は白飛びが派手にならない程度に高くします。おおよそ+2.00程度が目安ですが,白飛びがヤバいという場合は無理しなくていいです。で,このままだとハイキーすぎる写真になってしまうので,「ハイライト」を+40,「シャドウ」を-75,「白レベル」を-20,「黒レベル」を-60に,それぞれ調整していきます。こうすることで露出を元に戻し,また影の雰囲気も独特になります。もちろんここは被写体に合わせて微調整してください。
多分トーンカーブを使えばもっと細かく調整できると思いますが,こっちのほうが簡単でしょう。
「彩度」は,これは派手にいじらずに,-20程度にしておきます。
3. 明暗別色補正を使う
たぶんLightroomの現像に関する機能の中でも最も使う機会のない機能だと思いますが,今回はこれを使ってシャドー部分に青色のカブリを発生させたいと思います。シャドウの色相を200前後(緑よりの青色)にし,彩度は35にしました。こうすることでシャドー部のみに青色のカブリが発生します。
この「明暗別色補正」機能,はどういう時に使うのが正解なんでしょうか。
4. フイルムカメラっぽく,周辺減光とノイズを加える
仕上げに「効果」の欄から,周辺光量補正を使って周辺減光を発生させます。「適用量」を-30程度にすればいいですが,「中心点」などをいじってみるのもいいと思います。周辺減光はやり過ぎると諄くなってしまうので,効果あるかなぁくらいに抑えておくのがいいと思います。
こちらは好みに応じてですが,粒子ノイズも加えておきました。
これで完成です。が,この作業を毎回行うのは大変なので,プリセットを作っておくといいと思います。プリセットは左側の「プリセット」と書かれている部分の右側にある+ボタンから新しく登録できます。
設定は全てにチェックを入れるのではなく,「いじった部分のみにチェックを入れる」のが基本で,今回の作業の場合は下の画像のとおりになるはずです(「処理バージョン」にもチェックを入れておかないといけないみたいです)。