産経新聞の取材に対し、CCC側は、書架の安全性を高めるための追加経費が必要となり、書籍購入費を削ったと釈明した。広報担当者は「幅広く本を選ぶべきだったが、オープンまでの選書期間を短く見積もってしまい、ずさんな結果になった。市側との(書架の)安全対策の打ち合わせも不十分だった。今後、選書の精度を高め、市民の声を反映したものとなるよう努力したい」と語った。
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武雄市におけるツタヤ図書館反対運動の根っこには、当時の市長、樋渡啓祐氏に対する反発がある。樋渡氏は、トップダウン型の政治手法が賛否を巻き起こしていた。
「住民になんの説明もないまま、CCCありき、しかも東京で図書館の民間委託を打ち出した。図書館運営の実績のない会社を選ぶなんて、独裁的過ぎる。まちづくりの在り方として危機感を抱いた」
反対運動を主導した「武雄市図書館・歴史資料館を学習する市民の会」代表世話人、井上一夫氏(75)は、こう語った。
とはいえ、武雄市のツタヤ図書館が、地域のにぎわいづくりに寄与したのは間違いない。
市はツタヤ図書館がもたらした25年度の経済効果を20億円と弾く。武雄市が「地方創生のロールモデル」(稲田朋美・自民党政調会長)といわれるまでになったきっかけも「ツタヤ図書館」だ。
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