ツタヤ図書館は、佐賀県武雄市で産声を上げた。平成25年4月、市はCCCを指定管理者として市立図書館をリニューアルオープンした。
人気のスターバックスカフェを併設したおしゃれな空間は、全国ニュースとなり、話題を集めた。人口5万人の地方都市でありながら、改装初年度は計92万人が来館した。改装前(23年度)の3.6倍もの数字だった。
武雄の成功は、公立図書館の立て直しを目指す全国の自治体に波及した。岡山県高梁市や山口県周南市、宮崎県延岡市も、CCCへの運営委託を検討している。
ところが今年7月、武雄図書館で不備が明らかになった。
リニューアルに合わせて購入した1万冊の書籍の中に、10年以上前の公認会計士試験の教材や、埼玉県のラーメンマップなど市民にとって利用価値の低い実用本が、多数含まれていた。
しかも、1万冊は新刊本ではなく、当時CCCと資本関係にあったネット古書大手「ネットオフ」から購入していた。このため、「子会社の在庫処分だ」など、ネットや一部市民の間で批判の声が高まった。廃棄された郷土資料もあった。
CCC側は9月10日に謝罪し、27年度中に、同数の図書を改めて選び、市に寄贈することを表明した。
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