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ビッグデータとアミノ酸でがんのリスクがわかる

2016/03/18
本間 康裕=日経コンピュータ (筆者執筆記事一覧

 先日、体内のアミノ酸の濃度でがんなどの病気にかかるリスクが分かる、という話を聞いてびっくりした。アミノ酸と言えば、真っ先に浮かんでくるのが“うまみ”の成分であるグルタミン酸(アミノ酸の一種)と、それを商品化して大企業に成長した味の素くらい。しかし筆者の限られた知識では、グルタミン酸も味の素も、医療や病気の検査には結びつかない。

写真●味の素 研究開発企画部 総合戦略グループ課長の野口泰志氏。農学博士号を持つ
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 実は先日、「医療ビッグデータ・サミット2016」(2016年2月26日、主催:日経デジタルヘルス)で、その研究に従事している味の素研究開発企画部・総合戦略グループ課長の野口泰志氏(写真)の講演を拝聴した。タイトルは「大規模臨床アミノ酸データに基づく疾病の早期発見 ~アミノインデックスとその将来展望~」。アミノインデックスとは、体内のアミノ酸濃度のバランスから現在の健康状態や病気になる可能性を明らかにする検査。簡潔に言うと、血液中のアミノ酸の濃度を計測すれば、がんなどの病気にかかっている確率がはじき出される、というわけだ。

 いったいどういう仕組みでそんなことが分かるのか──もっと詳しく聞きたくなった筆者は、味の素に取材に向かった。

 この研究を主導する野口氏によると、味の素の研究所では、国立・公立のがんセンターをはじめ大学病院、地域の中核病院などと協力し、共同研究などを通じて集めた約5万件の臨床血液検体バンクと、これにアミノ酸データや健診・臨床データを合わせた3万件以上の臨床データベースを保有している。これらのデータベースを基に、疾病の可能性やリスクを検出する(図1)。

図1●データベースの概要
記事中の図はすべて味の素提供
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