香港独立は「不可能」 中国政府高官
- 2016年03月17日
中国政府の高官は16日、香港が独立することは「不可能」だと述べ、2047年に香港の「一国二制度」が終了した時点で独立すべきだとする一部の主張を牽制した。
香港大学の学生会誌「学苑」は今週、ウェブサイトに「我々の2047年」との見出しで記事を掲載。香港が国連が認める独立国となり、民主主義政府と独自の憲法を持つべきだと主張した。
全国人民代表大会(全人代)終了を受けた記者会見で、これについて質問を受けた全人代法律委員会の喬暁陽主任は、香港の独立は「不可能」だとした上で、「香港がどうやって独立するのか」と逆に質問を返した。
香港が英国から中国に返還された1997年に発布された基本法では、50年間「一国二制度」を維持することが約束されている。
民主化運動が大きな盛り上りを見せた2014年以降、香港の自主独立を目指す運動が少数ではあるものの勢いを強め、「本土派」と呼ばれる反中国のグループが注目を集めるようになった。
「学苑」の記事は、2014年の「雨傘運動」は自由拡大の要求を中国政府に認めさせられなかった、と批判。香港のアイデンティティーと過去から受け継いだ遺産をもっと保護しなくてはならないと主張している。
さらに、香港政府が中国政府の「傀儡」になっているとし、野党の「汎民主派」議員が勢いを増す自主独立のムードに「十分に答えていない」と非難した。
中国政府は、香港における基本的な自由を認める「一国二制度」を維持すると繰り返し約束しているが、2014年のデモ参加者が求めた行政長官選挙のさらなる民主化は拒否した。香港の政治的トップの行政長官を選ぶ次回の選挙は2017年に予定されている。
先月、香港の繁華街・旺角(モンコック)で無許可営業の屋台を保健当局が取り締まろうとしたことをきっかけに当局と市民が衝突した際には、「本土派」と治安部隊が激しく対立。うち数人が騒乱罪で起訴されている。
(英語記事 China official says Hong Kong sovereignty 'impossible')