京都市地下鉄・バス、消費増税で値上げへ 上下水道料金も
京都市は17日までに、消費税が来年4月に10%に増税された場合、地下鉄や市バスの運賃、上下水道料金を値上げする方針を明らかにした。消費増税に際して「適正な料金転嫁」を求める国の通達を踏まえた対応だが、地下鉄、市バスの運賃は他都市に比べて高く、利用者からの反発も予想される。
小笠原憲一副市長が16日の市議会予算特別委員会総括質疑で「消費税は一般に広く求めるもの。8%の際も適正に(料金)転嫁しており、10%についても同様に転嫁する」と述べた。
公営企業は現在、収入の8%を消費税として納め、増税後は、さらに2%上乗せして納税する。公営企業が自己負担するか、利用者に料金転嫁するかは、自治体の判断に任されている。
2014年4月に消費税率を5%から8%にした際に国は「適正な料金転嫁が原則」と通達した。これを受け京都市では市バス、地下鉄とも運賃を10円(地下鉄の初乗り運賃除く)、上下水道料金も平均3%それぞれ値上げした。
10%増税時も利用者負担を求める考えで、具体的な値上げ額は未定という。
一方、1997年の5%増税時は、地下鉄・市バスとも料金転嫁を見送り、内部努力を徹底した経緯がある。地下鉄初乗り運賃(210円)、市バス均一区間運賃(230円)は政令指定都市の公営企業で最も高く、値上げは市民生活や観光客の足に大きな影響が出る。
全国一経営が厳しい市営地下鉄をめぐっては、経営健全化計画に最大2回の値上げを盛り込んでいるものの、門川大作市長は2月の市長選で「計画で予定した値上げを回避する」と公約に明記した。消費税増税時の対応は言及していなかった。
市議会野党の共産党議員からは「4年間は運賃値上げしないと解釈した有権者もおり、公約違反としか映らない。市民にとっては料金転嫁も値上げに変わりはない」と批判が出ている。
【 2016年03月17日 23時10分 】