『ワイルド7』などで知られる漫画家の望月三起也さん(77)が今年1月、肺がんを患い、医師から「長くて1年、短くて半年」と余命宣告を受けていたことが18日、分かった。終活WEBソナエのインタビューで明らかにした。
望月氏は同サイトで、「医師から呼ばれたとき、何となく分かっていたんです。『今度こそ宣告だぞ』って。かみさんと2人で説明を聞いた後、『あと半年あれば、何とかなるかな』って逆に思いました」と余命宣告を受けた際の心境を振り返った。
1970年代、7人の犯罪者で組織された警察集団が悪を制す『ワイルド7』を漫画雑誌「週刊少年キング」(少年画報社)に連載して大ヒット。以降、数多くの人気漫画を世に送りだしてきた。「家族のこと、子供のこと、最初は『どうしようかショック』があった」と苦悩をのぞかせたが、残りの人生を心残りだった作品を描き上げるために費やす意向だという。
幕末の動乱期を舞台にした「新選組」を最後の題材に選んだ。79年から80年にかけて『俺の新選組』という漫画を連載した経緯があり、熱烈なファンからは「いつか続きが読みたい」という声が寄せられ、「最後にファンの期待に応えたい」と、続編に取り組むことに決めたという。
めまいやふらつきがあり、一人で歩くのはつらい状態だが、「言ってみれば、人生最後の締め切り。もうちょっと延ばしてよ、って思うけど、この作品で締め切りにしたい」と創作への意欲は絶やさない。「たぶん、この作品も描き上げるまで持つんだろうと変な自信を持っている」と命の最後の残り火を燃やす決意を新たにした。