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 処方箋(せん)を書かずに大量の向精神薬を一度に渡したとして、兵庫県警は17日、県内の70代の男性医師を麻薬及び向精神薬取締法違反(譲り渡し)容疑で書類送検した。捜査関係者への取材でわかった。容疑を認めているという。

 捜査関係者によると、医師は昨年8月上旬、県内で経営する医院で、兵庫県西脇市の患者の女(32)に向精神薬ハルシオン約1200錠を処方箋を書かずに譲り渡した疑いがある。ハルシオンは1日2錠が最大量で、少なくとも600日分にあたるという。女は向精神薬を販売したとして昨年10月に同法違反容疑で静岡県警に逮捕され、有罪判決が確定している。

 兵庫県警は押収資料などから2012年以降、医師が十数万錠の向精神薬を女に渡したとみている。女は「薬を飲まないと精神が安定せず、死んでしまうかもしれない。もっと欲しい」などと繰り返し訴え、医師が応じていたという。