ジュネーブ=春日芳晃
2016年3月17日11時13分
フリージャーナリスト安田純平さんが取材に入ったシリアは、内戦が続く中で「イスラム国」(IS)などの過激派組織が勢力を広げている。安田さんを拘束しているとみられる「ヌスラ戦線」もその一つだ。しかしISとは対立関係にあり、度々交戦している。
ヌスラ戦線は、国際テロ組織アルカイダ系の武装組織で、シリア北部と北西部に主な支配地域を持つ。
ISと同様に外国人のジャーナリストらの誘拐を繰り返し起こしているが、ISが拘束した人を殺害するケースが多いのに対し、ヌスラ戦線は身代金を得たら解放するケースが多いとされる。
またシリア北部の複数の行政関係者によると、「公開処刑」や逮捕なしの「投獄」など徹底した「恐怖政治」を敷くISに比べ、指導者がシリア人のヌスラ戦線は住民に同情的で、「残忍さはまだまし」という。
実際、アサド政権軍関係者によると、不満を抱いた住民から同軍に寄せられる内部情報は、ISの支配地域からは多数あるのに対し、ヌスラ戦線の支配地域からは少ないという。
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朝日新聞国際報道部
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