ハーモニー・ゴールド・マイニング(ティッカーシンボル:HMY)は南アで第3位の産金会社です。

同社はパプア・ニューギニアにゴルプという金山の採掘権を所有しています。

ハーモニーはニュークレスト・マイニングとジョイント・ベンチャーを設立、ゴルプの本格開発のための下準備を行っているところです。

ゴルプはパプア・ニューギニアのモラビ郡にあります。

一番近い町は65Km離れたところにある海辺の町、ラエです。

ラエは第二次世界大戦のとき、「大空のサムライ」、坂井三郎を含む部隊がポートモレスビー攻略のために奪取した前進基地です。

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ラエ空港は、もともと金鉱開発のためにオーストラリアによって建設されました。この空港はアメリカの女流パイロット、アメリア・イアハートが世界一周チャレンジで消息を絶つ前、愛機のロッキード・エレクトラで最後に飛び立った空港でもあります。

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さて、ゴルプには3つのデポジットがあります。ゴルプ(2,030万トンのゴールド、900万トンの銅)、ワフィ(720万オンスのゴールド)、モンガ(100万オンスのゴールド、8.6万トンの銅)がそれです。

この中で最大のゴルプは、エンパイアステートビル5個分の鉱床であり、毎年40万オンスのゴールドならびに25万トンの銅を、25年間、生産し続けることが出来るだろうといわれています。

その開発にあたっては地下ブロック洞穴採掘法が採用されます。この手法はまず地下の鉱脈をダイナマイトで破砕し、その鉱石を重力と地下の圧力を巧みに利用しながら細かく砕き、地上に運び上げるシステムです。



そこでは、まずアンダーカット・レベル(Undercut level)とよばれる横穴を掘り、ダイナマイトで地層を破砕します。

次に、その20メートルほど下にエクストラクション・レベル(Extraction level)と呼ばれる鉱石採集用の坑道を作り、ダイナマイトで逆三角錐型の穴を空け、上から重力で鉱石が落ちてくるようにします。

鉱床を水平に輪切りにしたときの断面は600メートル×500メートルあり、そこに碁盤の目のようにアンダーカット・レベルならびにエクストラクション・レベルの坑道を縦横に走らせるわけです。

そして地下にクラッシング・ステーションと呼ばれる鉱石を砕く工場を設置します。ここで鉱石を小さくし、コンベイヤーで地上に出すわけです。

先行投資に必要な金額は、たぶん50億ドルを下らないと思います。また生産開始は早くて2019年でしょう。

ハーモニーは年内には無借金経営を実現できるとしていますが、このゴルプの開発費用はまた別に捻出する必要があります。

投資銀行各行はエクイティー・イシューの必要性を嗅ぎつけ、ハーモニー株をヨイショしている最中です。

hmy