田中ゆうたろうブログ

あけましておめでとうございます。
昨年も大変お世話になりました。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

今日は杉並区の賀詞交歓会が杉並公会堂で行われ、私も区民の皆様とご一緒に新年を祝って参りました。
昨年も当区ではいろいろなことがありました。今日の賀詞交歓会で配られた「平成25年杉並区の出来事」には一切触れられていませんが、私としては最も印象に残った出来事を、ここでご紹介します。

それは、平成25年予算において、現区政による生活保護世帯への過剰助成が明らかとなったことです。

杉並区の生活保護受給世帯への中学3年生の塾代助成が、東京都の学習環境整備費と合わせると、低所得者世帯に対する東京都の学習塾等受講料貸付制度上限額を上回ってしまうこの問題。
都はこれまで、低所得者世帯の中学3年生を対象に学習塾等受講料貸付制度を設けていますが、その額は上限20万円までです。
一方、都は生活保護世帯の中学3年生に対しては、学習環境整備費として年間１人15万円までの塾代を支給しています。しかし、区は平成25年度から新たに生活保護世帯に対する塾代上乗せ助成を始めたのです。
その額、何と15万円。
つまり、生活保護世帯は合計30万円まで塾代を受けられる状態になっているのです。生活保護世帯のほうが低所得者世帯より10万円も多く塾代を受けられてしまう、いわゆる逆転現象を区自らが生み出してしまった点については、他の議員からも驚きと厳しい批判の声が相次ぎました。
現在の生活保護制度をめぐっては、国民から多くの疑問の声が寄せられ、国においても制度の見直しが行われています。その流れに逆行するかのような、区のこの施策。
自分の子供の塾代を捻出するため、歯を食いしばって生活を切り詰めておられる方々の努力を台無しにしてしまうのではないでしょうか。取り繕うことのできない現区政の重大な瑕疵です。（昨年11月21日、第4回定例会一般質問でも述べた通りです。詳細は杉並区議会ホームページをご参照下さい。）
区は「貧困の連鎖防止」と説明しますが、説得力はありません。働かざる者食うべからず！このことわざを深く肝に銘じてこそ、初めて、貧困の連鎖もまた真の意味で断ち切られる時が訪れるはずです。
私は、何よりもまず自助・自立を尊びます。個々人が公に支えてもらうのではなく、額に汗して働く人が報われる社会を目指すべきだと考えます。生活保護は、最後の安全網として、これを真に必要とする人にこそ行きわたらせるべきではないでしょうか。

私の尊敬する社会教育学者の故・丸山敏雄氏は、万人幸福の要諦として明朗・愛和・喜働の3点を提唱されました。喜働というのは一般的には耳慣れない言葉で、もしかすると丸山氏の造語かもしれません。（この点、もしご存知の方がおられましたらご教示願いたいと思います。）
しかし、耳慣れない言葉だからこそ、あえて丸山氏はこの言葉を選んだのではないでしょうか。
喜んで働く。残念ながら、現区政の生活保護世帯過剰助成は、この丸山氏の教えとは反対の方向を行くものと言わなければならないようです。なぜ、助成しなければならないのか？助成ではなく貸し付けるという方策もあったはずだと、区の姿勢を追及する他の議員もおられました。私も全く同感です。

正直者が馬鹿を見る杉並区にしてはならないと強く思います。
働く喜び、家族の絆。
ふるさと杉並を取り戻す為、私は今年も一生懸命努めて参ります。