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【スポーツ異聞】野球が盛んなのは地球の一部 「三角ベース」的発想の転換を!

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【スポーツ異聞】
野球が盛んなのは地球の一部 「三角ベース」的発想の転換を!

「プレミア12」の台湾ラウンドが行われた天母球場。日本の市民球場のような小さなスタジアムだが、盛況とはいかなかった(松永渉平撮影)

 複雑なルールも普及の壁になっている。3アウトごとに攻守が入れ替わり、9イニングを行う中にサインプレーや犠打、盗塁、ボーク・牽制…と複雑多岐。また、試合展開を読みながら戦略を立てるため、他の球技(クリケットを除く)と比べて試合時間が長くなり、プロ野球では4時間超のゲームはざらにある。

 3番目に文化の違いがある。サッカーの「ジョゴ・ボニート」(美しき遊戯)を知る国民にとって、野球は必ずしも芸術的な競技とはいえず、美しさよりもパワー重視の傾向がうかがえる。サッカーファンからすると、スピード感のない緩慢なプレーの連続に映るようだ。

 また、野球文化が定着している日本では、普段から国民がレベルの高いプロ野球や大リーグに触れているため、“野球後進国”の最後の攻防まで見るのは耐えられない。たとえ東京五輪で野球が復活しても、日本以外の試合では観客席が埋まらず、惨憺たる状況になることもありうるだろう。

欧州人に向かない!?

 阪神監督を辞めてから、野球後進国・フランスで指導に努めてきた吉田義男氏によれば、代表チームといえど最初は草野球のレベルで、チームワークを浸透させるのに時間がかかったという。「犠打」のサインを出すと、「なぜ自分がバントなのか」と反発する選手もいた。野球という競技は、節度や協調、連携、思いやりを理解させ、人間形成においても役に立つが、野球と縁のなかった国民にそこまで浸透させるには相当の時間を要する。そもそも、サッカーの興奮にはまった欧州の国民がスピード感に乏しい野球にはまる可能性は極めて低いと言わざるをえない。

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