名乗る男性の動画を確認 ヌスラ戦線拘束か
【カイロ秋山信一】昨年6月に内戦下のシリアに入国した後、行方不明になったとみられるフリージャーナリスト、安田純平さん(42)を名乗る男性の動画が16日、インターネット上で確認された。男性は家族への思いを語った後、日本政府を念頭に対応を求めるような発言を行った。
男性は黒っぽいセーターやマフラーを着用。机の上に置かれたメモを見ながら、英語でメッセージを読み上げた。時折、感情的な表情を見せながらも、落ち着いた様子でカメラに向かって発言した。
毎日新聞が確認した1分超の動画で男性は「きょうは自分の誕生日だ」と切り出し、家族に向けて「愛している。いつもあなたのことを思っている。会いたい、話したい、だけどもうできない。どうか体に気を付けて」などと話しかけた。
男性はさらに、「私の国に対して言いたい。暗い部屋で痛みに苦しんでいる時、誰も反応せず、存在を感じない」と話した。
男性が置かれた状況やビデオメッセージの意図は不明。ただ、安田さんはシリアの反体制派武装勢力や国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」に拘束されているとの情報があり、安田さんを拘束した勢力が日本政府に何らかの対応を求めるために動画を公開した可能性がある。