「放送局の萎縮」懸念
放送倫理・番組向上機構(BPO)の川端和治・放送倫理検証委員会委員長(弁護士)は16日、放送局について「番組を作る人が萎縮し、伝えるべきことが伝えられなくなれば、国民は正しく判断できなくなる。今以上に萎縮が発生すれば、もっとひどいことになる」と懸念を表明した。同日開かれたBPO年次報告会で、出席した放送関係者に訴えた。
同委員会は昨年11月、個別番組に対する総務省の行政指導や自民党による放送局幹部の聴取などを「放送法が保障する『自律』を侵害する行為」などと非難した。
川端委員長は「海外メディアは、政治に関する日本の報道番組は臆病だと報じている。これは非常に恥ずかしいことで、そうであってはならない」と指摘。「我々は、表現の自由のフィールドを最大限に活用した番組を安心して作れるように援助する」と述べ、BPOの持つ自主的な検証機能を発揮していくことを誓った。【丸山進】