面白い部分を削りましょう


 はい、今回は自分の作品の面白い部分を削ることについて。


 ただ………この手法はネット小説だけで良いという人にはあまり有益じゃないかもしれません。

 なら、誰向けかというと、書籍化が決定してネット版と書籍版の作品の内容の編集する人向けです。


 どういう意味かというと、ネット小説って大賞に応募する以外は文字数やページ数に制限無いですよね。

 極端に言えば1000文字程度の短編でも10万文字の長編でもネットなら制限なく掲載できます。


 ところが書籍化となるとページ数や文字制限が発生します。

 ここで役立つのがこの面白い部分を削るです。


 面白い部分を削ったらつまらなくなるから、無駄な部分削ればいいじゃんと思う人がいると思います。

 そんな皆さんに問います。最初から無駄な部分ありますか?

 第三者からすれば此処無駄だなと思っても、作品を生み出した貴方が「此処無駄だなあ」と思いながら書いていますか?


 アンソロジーやマンガやアニメ等のラノベ化ならありえるかもしれませんが、0から貴方だけが作り上げた作品に無駄はありますか?


 まあ、後々読みなおして「此処いらないな」なんて部分は出てきますが……

 皆さん、【いらない部分】を削るのはほとんど抵抗がないんです。

なぜなら言われるまでもなく不要だから。

 ですが、【面白い部分を削る】のはかなり抵抗を感じます。

 ところが、主題や一番の見せ場の効果を小さくするのはそうして大事に大事に残してしまった【面白い部分】より正しくは【面白いけれど本筋から外れている部分】です。


 余計な情報が物語の配分を歪ませ、 重要度の低い情報を読者の記憶に深く刻み、最も強く理解してもらうべき内容の理解を妨たげるのです。


 要するに、【瞬間瞬間の面白い文章や一見読みやすく感じる文章】に惑わされないように【上位指示】を置こうという提案です。


 どうしても削るのに抵抗があるなら、こう思ってください。


「面白い部分を削るのは宝石のカッティング。より見栄えのいい作品を作るための工程だ」