作品にリアリティを入れよう


 はい、今回は作品にリアリティを入れようです。


 さて、ハウツー本などでは作品にリアリティーをいれることで物語の魅力が強くなるなんて書いていません?


 こんな言葉を見て「現代物ならリアリティー入れられるけど、私の作品はファンタジーだから無理」なんて思っていませんよね?


 そんなこと思っていたら、貴方………ノンフィクションしか書けないじゃないですか。


 リアリティーと言っても事実を書けと言っているわけじゃないんです。

【講釈師、見てきたような嘘をつき】なんて言葉があるように、読者にまるで実在するように錯覚させる嘘を信じ込ませるのです。


 嘘をつくのはちょっと………と思った貴方、別に読者に嘘ついて詐欺をするわけじゃないんだから気にするな!


 フィクションもぶっちゃけたら、嘘を言ってるってことなんですよ。


 さて、小説には様々なジャンルがあります。その中にはこのジャンルでリアリティーってどうやって出せばいいの? って思った人いません?


 別に難しく考える必要はないんです。

 ただ、ほんの少し現実で起きる物理法則などを混ぜればいいんです。それだけで良いんです。


 ファンタジーならモンスターに動物の生態系を当て嵌めてみたり、のどかな農村でどのように農作業しているとか。


 宇宙船が出てくるスペースオペラ物なら、隕石がぶつかったイベントとかで「衝突箇所から空気が漏れてます」とか「船長! 船内で火災発生です!」「エリアをブロックして空気を抜け! 真空状態にして鎮火させろ!!」


 こんな感じで描写すればいいんです。



 講師から教えて貰ったリアリティーの出し方を発表します。


【君の作品に衣食住を描写しろ】です。


 描写しろと言っても服を着てるとか、食事をしているとか、家に住んでるとかで済まさないでくださいね。


 ファンタジーものでそれぞれを例えるなら


【衣】


 不意に声をかけられ振り向けば、豪華な装飾や金糸などで意匠を凝らした服を着た貴族がいた。

 袖口にあるボタンの数は三つ……どうやら、目の前の貴族は最低でも男爵クラスの爵位を持つようだ。


 この作品世界の貴族は袖口のボタンの数で爵位がわかるという社会システムを持っていると思わせるリアリティです。



【食】


 ホーンラビットのチャーハン。

 米、うさぎ肉のベーコン、卵というシンプルな具だが漂う匂いがそれだけで食欲をそそる。

 お好みでねぎとごまをちらすといいだろう。


 そして、メインのヘルキャンサーのクリームコロッケ!

 超高級食材、ヘルキャンサーを使ったクリームコロッケ。あつあつの衣を裂くとでてくるのはビーフバードのミルクからできた、あっつあっつのホワイトソース。

そしてそこから出てくる蟹肉のうまみ。これはもう、うまみの灼熱地獄だ。


 ああ……もう、たまらない。今すぐあげたてコロッケにかぶりつきたいが……がっつくのはよくない。まずは、主食からだ。

 一口頬張ると、米の形をしたベーコンの脂身と卵、それに塩コショウの味の

絡み合ったものが落ちていく。

 もうこれだけでご飯が何膳もいけそうだ……米をおかずに米を食う、一人米米クラブの結成だ。


 某一人飯が大好きな人風に描写しましたけど、ただ「マスター、定食一つ」「へい、お待ち」「いただきまーす、おいしー」で済ますよりはリアリティありません?


【住】


「これが最古の文明と言われたアストラ文明の流れを汲む古アルトリア建築ですか」

「うむっ! この柱に施された象嵌、そして縁には古アルトリアの王族を称えるレリーフ……実に素晴らしいっ!」


 教授は薀蓄を垂れているが僕には半分以上理解できない。ただ僕が理解できたのは、この遺跡はとても古く、そして凄く歴史的価値があるということだろう。


「聞いているかね? さて、古アルトリア王朝を滅ぼしたのは……」


 とりあえず、今日は街に帰れるかな……垂れているというより駄々漏れと表現した方がいい教授の薀蓄をBGMにしながら僕は、ただそのことだけが心配だった。



 イメージ出来たでしょうか?

 よくわからないという方にはこの言葉を送ります。


【嘘を信じさせるにはほんの少し嘘に事実を混ぜる】