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CRAFTWORKさんインタビュー!

CRAFTWORKさんインタビュー!


 2001年にCRAFTWORKから発売された『さよならを教えて 〜comment te dire adieu〜』は、その企画発表直後から問題作として注目を集め、発売後もプレイヤーから賛否こもごもの評価を受けた。そんな作品だからこそ、発売から15年たった今日でもタイトルは語り継がれ、本作に影響を受けたというクリエイターも少なくない。

 そんな『さよならを教えて 〜comment te dire adieu〜』が、現在DLsite.comからDL販売されている。この話題作をDL販売に踏み切った事実は、業界内でも小さからざる話題となった。

 今回は、そんな『さよならを教えて 〜comment te dire adieu〜』を制作した長岡建蔵さんのインタビューだ。発売当時を振り返っていただきつつ、今回のDL販売への思いを語っていただいた。

──『さよならを教えて 〜comment te dire adieu〜』は2001年に発売された作品ですね。

 記憶にございません。

──調べましたので(笑)。

 もうずいぶん前のことなので、色々忘れちゃっているんですよ(笑)。

──発売されてから15年になりますが、美少女ゲームのトレンドなども大きく変わっています。その中で今回DLsite.comでダウンロード販売が始まったのですが……。

 というか、浮いていますよね!? サイトの中で! 大丈夫なんですかこれ!

──注目度は高いですよ。とはいえ、15年前としても異色の作品だったと思いますが、今よりはああいう作品が発売される土壌があったような気がします。

 まあ、当時は今より多くの作品がリリースされていましたからね。それと、美少女ゲームにも波があるんです。純愛の波とか、感動系の波とか。そんな中で「次はもっとエッジの立った作品の波が来るんじゃないか!?」って思った人がたくさんいたんじゃないんですか? 結局は来なかったわけですが(爆笑)。

──確かに様々なジャンルや切り口の美少女ゲームが出ていた時代ではありますよね。

 業界が成熟しきっていなかったからだと思うんですよ。Windows時代になって今までパソコンなんか触ったことのなかった人が一気に入ってきたわけでしょ? その流れの中で1990年代後半から美少女ゲームがドーンとブレイクしたわけで、「エロゲーの体裁さえ整っていれば、何を作ってもいいんでしょ」って人が何人かいたんですよ。そういう人たちがおかしなゲームを作っていたんですけど……売れなければ淘汰されていくだけですからね、それで残らなかったんでしょうね。

──そんな美少女ゲームがある意味カオスだった時代ですけど、当時のCRAFTWORKは、もっとポップな作品も作っていましたよね。

 そうですね。『さよならを教えて』の前には『flowers』ってゲームを作っていましたしね。ただ、『flowers』は作りながら「こういうゲームは向いてないな」って思っていましたから(笑)。その前のデビュー作『For elise ~エリーゼのために~』はダーク系でしたし。

──なるほど。では『さよならを教えて』を作ろうと思ったのは、どういう経緯で?

 当時、『Kanon』という作品がとても売れていたんですね。そのときCRAFTWORKはビジュアルアーツ傘下のブランドだったんですけど、年始にブランドの責任者を集めて新年の会議をやるんです。そこで雁首揃えた連中に馬場社長が「『Kanon』みたいなゲームを作れ」って言ったわけですよ。んじゃ作るか、と思ったんですが、みんなが作ったら同じようなゲームばかりになると思って、少し角度を変えてみようと考えたんです。それで作ったのが『さよならを教えて』。ところがマスターアップ目前になってほかのブランドを見たら、誰も『Kanon』みたいなゲームを作ってなかったんですよ(笑)。どういうことだよ!って(笑)。今にして思えば単に「売れるもん作れよおまえら」って意味だったんだと思いますけど。

──つまり『さよならを教えて』は長岡さんなりの『Kanon』だったんですね。

 そうですよ。だってほら、「永遠」とか「ちょっとアレな女の子」とか「感動する」とか……似てるじゃないですか。僕としては『Kanon』のエッセンスを踏まえて、僕なりに構築したつもりだったんです。それで怒られましたけどね、「なんだこれは」って(笑)。

──作られているときは手ごたえはありましたか?

 そりゃ、もちろんですよ。自分をだまさなければ作れませんからね。「面白いゲームができたぜ!」って思いながら作ってましたよ。

──発売当時の評価としては、美少女ゲームファン全員が大絶賛ということはないんですが、熱狂的なファンを作る作品だった印象があります。

 評価は完全に二分していましたよね。今でもか……なんというか0点か100点か? まあ売り上げレベルでは0点だったんですけど(苦笑)。

──一部に根強いファンを作る作品だという手ごたえはありましたか?

 まったくなかったですね。ある意味傲慢に自分が納得するように作っていただけでしたから。

──ではDLsite.comが今回DL販売を行うというお話を聞いたときは……。

 いいの? 売れるのかなって感じでした。またやった人から「死ね」とか言われちゃうのかな? ただ、ひょっとしたら今だからこそ売れる可能性もあるのかな……ないか!(笑) 僕が言うのもなんですが、美少女ゲーム業界って一昔前に比べたらやっぱり下火じゃないですか。そんな中で、曲がりなりにもいまだに語り継がれているわけでしょ。そういう作品であれば、今の若いマニアが何か誤解して手を付けてくれる可能性もあるかもって思いました。

──ジャンルとして、逆に目新しいというか。

 いえ、いまだにこういう作品を作り続けている方はいらっしゃいますよ。だから連綿と続いているんですよね。すごく売れたりしないから大きく表に出てこないだけで。

──なるほど。そんな中で今だからこそ『さよならを教えて』でユーザーに見てほしいところなどはありますか?

 今だからこそっていうのはないかなあ。先ほども言った通り、発売当時も「面白いものができた」と思っていたし、「もっと見てくれよ」って気持ちはありましたしね。技術の蓄積やPCのスペックによる効果も、コンセプチュアルな部分やゲーム内の演出は現代の作品の方が良かったりするでしょうし。うーん。今にしてみれば……「ちょっとおかしなものがあるんですけど、いかがでしょう?」って感じですかね。当時と変わらないかもしれません。

──確かに、当時からしても斬新すぎる感じはありましたから。

 実は今回インタビューを受けるので、当時の資料を引っ張り出してみたんですけど、メモ書きなど見るに我ながら何が言いたいのかわかんねーなって(笑)。こりゃアカンと思いました。

──とはいえユーザーレベルでは口コミで伝わっている作品です。そこからも好きな人にとってはたまらないゲームなんだなって思うのですが。

 口に合うかもしれないし、合わないかもしれないって作品なんですよね。でも、それでいいんじゃないですか? 好き嫌いは個人が決めるところですから。だから僕からあれこれ言うことはないんです。好きだと言ってくれる人だって「ストーリーが面白いな」って人がいれば「演出がいいね」って人もいる。「女の子がかわいい」って感じる人だっているわけです。その一方で「なんでこうじゃねーんだよ」「結局それかよ!」みたいな感想を持つ人もいて……でもそれでいいと思っています。

──そんな『さよならを教えて』ですが、調べてみるとほとんどのパートに長岡さんのお名前がクレジットされています。今はもちろん、当時も美少女ゲームの製作現場は分業制だったと記憶しているだけに、これはすごいことだなって思ったんです。

 いや、あの作業量は分業しなければ普通は無理です。ただ、幸か不幸か自分で様々なパートを見ることができたので、最終的に1本の作品としての整合性はかなりとれたんじゃないかなと思います。すべてのパートが乖離していないというか。噛み合ってるというか。『さよならを教えて』も、もちろん分業していた部分はあって、例えばシナリオは二人で書いていたので多重人格性のある脚本になった。でもそれは作品のテーマに適合しているわけですよ。結果的に、ですけど。

──なるほど、そういう仕掛けだったんですね。

 これは言っていいのかって思うんですが、『さよならを教えて』は整合性に対する言い訳で組み立てているんです。作った話に穴があっても「だってそうだし」で片づけてしまえる作品性と組み方なんですね。それも含めて自分への言い訳が出来てるんですよ。主人公がおかしな事を言っていたり展開上ありえないことを語っていても、結局それはこのおかしな主人公の目を通して見えている世界であって、そこから逸脱していなければOKと思っていたんです。だから「そうであってはならない部分」がすごく少ない。なので重箱の隅まで目を通して作れた。そういう意味で完成度を高めることができた作品です……でも、どうなんでしょうね実際(笑)。

──言わんとするところはわかります。

 もちろん何でもありってわけではないです。読めない本は本ではないし、説明になっていなければ意味がなくなってしまう。作品内で起こる出来事やエンディングがああいった形であることにも、すべてにちゃんと理由がつけられています。伏線をわざと回収しなかったり、説明はできるけど説明することを拒否してプレイヤーに委ねたり、作り手側の理由を明確にしてぶれさせずに作っているわけですね。その意味では割り切った作り方をしていました。

──そういう部分に共鳴できる人が、ディープなファンになっているんでしょうか?

 どうなんでしょうね。考察サイトなんかを見ると、本当に深くゲームを読み解いてくれているんですよ。それを読むと「あー、そんな風に考えるんだ」って思ったり。自分では考えてもいないことが書かれていたりとかね(笑)。でも、あの当時はそういう考察サイトが流行っていましたよね。インターネットが普及して、自分の意見を手軽に発表する場所ができたわけですよ。そこにアニメやゲームといった共通言語があれば、自分の意見を言ったり、意見同士を戦わせるのは楽しいわけで。そういう場所で「こんなゲームもあるんだぜ」って言うのにちょうどいいゲームだったんじゃないですかね。

──改めてお伺いしますが、今回DLsite.comで『さよならを教えて』のDLに向けて、ユーザーにメッセージはありますか?

 昔、こういう売れなかったけど語り草になったゲームがあったんだなって知ってもらえれば。もちろん本気で作ったものなのである意味での自信作ではありますし、お金に余裕があればDLして遊んでみてもらえればうれしいですね。

──今回『さよならを教えて』をDL販売することで、長岡さんの新作ゲームを求める声も出てくると思います。

 ないでしょ(笑)。まあ企画がないわけではないんですが、体力や気力的にさすがに新作1本を作るのは難しいですね。あの頃は熱に浮かされたかのようにゲームを作っていたこともありますからね。

──了解しました(笑)。それでは最後に、読者にメッセージをお願いします。

 メッセージですか……うーん。やめたほうがいいんじゃないですかねプレイするの(笑)。いやいや、ぜひ遊んでほしいんですけど、もちろん人にもよりますけど若い人なんかは変な毒気に当てられてしまう場合があるかもしれませんので注意が必要です。必要なんです。注意しながら遊んでください。必要なので。あと、まさか15年も経ってからインタビューのお話がくるとは思ってなかったのであれこれ言おうと考えてココにきたのにほとんど忘れてしまいましたよ。しかもオレ一人に対してなんでこんなに人がいるんですかこの会議室は。圧迫面接ですか! ていうかいろいろ忘却の彼方っていうかラフとか資料とかいろいろ捨てちゃったしこんなことになるなら全部取っておけば良かったなぁなんて思いつつも当時のことなんか思い出して悲しい気持ちになったりしたのですていうかあの時は今週発売になるさよならを教えての営業しないで来週発売する作品の営業してるとかどういうことなんだよおいみたいな状況とか発売日被りのキラーソフトがあったりして慌てて逃げたりリリースしてみりゃ全然売れなかったっていうか発売即ワゴン行きみたいな感じで涙も出ない状態だし八日は散々だしあんなに頑張って面白くなぁれ面白くなぁれってテストプレイもものすごいして追加で演出入れたりs

──最後が長いです。ありがとうございました。

記事:今俊郎


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タイトル:さよならを教えて ~comment te dire adieu~
ブランド:CRAFTWORK
ジャンル:AVG
対応機種:Win Vista/7/8/10
発売日:2016年01月29日
価格:2,700円→ 2,160円(キャンペーン価格)
種別:18禁

原画:長岡建蔵
シナリオ:石埜三千穂 / 長岡建蔵
音楽 : さっぽろももこ

さよならを教えて ~comment te dire adieu~ [CRAFTWORK]

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