名前についてのあれこれ


 はい、今回は名前についてのあれこれです。


 さて、貴方は小説の登場人物に名前をつけていると思います。


 登場人物に名前をつける時、実は作法というかマナーがあるんです。


 といっても全然難しくありません。


 まず一つ目は【まじめに考えてください】


 何当たり前のこと言っているんだと思いますが、時折いるんですよ………

 斬新奇抜なアイデア、インパクトだけを前に出そうとして変な名前やどうやったらそう読めるんだという名前が………


 想像してみてください、小説のキャッチコピーが【社会に問いかけるヒューマンドラマ】なんて書いてあるのに主人公の名前が【しゅ・じんこう】さん、そしてヒロインの名前が【ひろい・ん】さん。


 読みたいと思います? どんなに本文が素晴らしいとしても、人は第一印象や少ない情報で判断したり、思い込んだりする事があります。


 二つ目は【読みにくい、読めない名前をつけるな】


 特に現代物で多いのがこれなんです。【四月一日】という苗字を見て一発で【わたぬき】と読めますか?

 確かに実在する苗字ですが、小説のテーマが【名前を読み間違えられる主人公の愚痴】とか名前に関する深いエピソードやイベントがない限り読みやすい名前をつけましょう。


 さて昨今リアルでは当て字やキラキラネームなんて言うのもあります。出すなとは言いませんが、一人か二人で抑えましょう。キラキラネームが小説テーマでもない限り。


 三つ目は【伏線など何か意味が無い限り同姓同名を避けよう】


 するなではないです、避けようです。

 貴方が小説の描写力に自信があって同姓同名のキャラが出ても書き分けられる、読者も見分けがつくというなら、それは大変強い武器となります。

 同じく漢字が違うけど同姓同名、漢字だけだと同姓同名だけど読み方が違うというのも避けましょう。



 四つ目は【似たり寄ったりの名前をつけたら同じシーンに出すな】


 はいこれ、ファンタジー物でついついやってしまうNGです。


 例えばアリア、アリシア、アリーシャ、アリウス、アリスこんな感じでアから始まるキャラが貴方の作品に登場するとしましょう。


 語尾や口調で使い分けたとしても全員一同に同じシーンに出て読者は見分けられるでしょうか?


 アリアは楽しそうにスキップをした。

 アリスはそれを微笑ましそうに見ている。

 アリーシャはアリアの真似をしてスキップした。

 アリシアはアリアの真似をして転びそうになったアリーシャーの手を取ってあげた。

 アリウスが駆け寄ってアリーシャの手をとったアリシアに礼を言った。


  混乱しません?


 五つ目は【ムダに長い名前をつけるな】


 つけるなといいいましたが、絶対にNGというわけではありません。

 出すとしても一人だけにしましょう。

 初登場はインパクトはありますが、頻繁に出てきたら読者はこう思うでしょう【アダ名や略称つけてくれない?】と。


 とはいえ、せっかく考えた名前なのにと思う人もいるでしょうが………


 名前だけでなく、行動や言動などでキャラクターを動かせと私は言わせてもらいます。