筆が止まってしまうプロットの建て方


 はい、今回は筆が止まってしまうプロットの建て方です。


 皆さん、 あれ? プロット段階では書けると思ったんだけど……なんて思ったことありません?


 プロットじゃなくても頭の中ではこうだ! という明確なイメージがあるのに文字に出せないなんて事ありませんでしたか?


 それが今回の題材【 筆が止まってしまうプロットの建て方】です。


 皆さんが自覚している【書けなかった理由】は

【書いてみたら冗長だったから】

【書いてみたら急展開過ぎたから】

【書いてみたらキャラが動かなかったから】


 など 様々なものがあるとおもいます。

 けれども、その中でも一番多いのは


【書いてみたら実際には書けなかった】


 ではないでしょうか?


 学院でもコレが壁となって苦しみました。

 これ原因は【展開するために必要な設定】が足りていないのです。


 私の場合、オリジナル架空世界戦記物を書いている最中に陥りました。

 主人公は普段はやる気のない昼行灯系軍師、いざとなると天才的な軍略で少数で大群を蹴散らすという設定でした。

 展開するために必要な設定が足りなかったのは天才的な軍略とはないかという部分です。


 流石に戦記物で主人公の軍略でピンチを切り抜けるというのに「このピンチは主人公の天才的手腕で切り抜けて勝利しました」で終わっていたら即座にブラウザバックしますよね?


 では、主人公の策略を考えようと思いますが、頭に【天才的な】なんてつけたから天才的な策略を表現しないといけない。最後は「ああ無理! 書けない!」で全没です。

 

 十分に設定が練り込まれているならばプロットは本当にどこまでも省略できます。

 【自由度】と称してあえてプロットに空白を多く作るのも有効な方法です。


 しかし、設定に穴の空いた不完全なプロットをよしとするのは【自由度】とは違います。

 それはただ失敗するプロットです。


  設定の穴を見つけるには詳細なプロットを引くのが一番無難ですが、 .詳細なプロットだけを見つめていると近視眼的になって全景が把握できなくなる可能性があります。


 ではどうするかというと私にコツを教えてくれた講師の方法は段階式プロットという手法でした。


 全体図、章、一話と大体3つに分けると良いかもしれません。

 プロットの建て方で説明した手法ですね。


 異世界に召喚されて魔王を倒す物語で段階プロットを作ってみましょう。


 全体図は異世界、魔王、主人公を召喚する人物、主人公を決めます。

 章は例えば第一章は主人公が召喚されるが、魔王が倒せないと言って逃げようとする。章の最後で魔王の非道を目撃して義憤して戦う決意をする。

 第二章は戦う力を得るための修行、第三章はともに戦う仲間を見つける、第四章は魔王の息子なりライバルを出して盛り上げる、第五章で魔王討伐、終章で出会った仲間に別れを告げて元の世界に戻る。


 一話プロットなら第一章第一話は主人公が異世界に召喚され、周囲の勝手な期待から逃げ出す、第二話で逃げ出した先で魔王の非道を目撃する、第三話で魔王に挑むも返り討ち、第四話で傷がいえた主人公が強くなる決意をする、第五話で強くなる方法を見つけて第二章に入る。


 駆け足気味ですがこんな感じでイメージ掴めたでしょうか?


 さて、ここで気をつけて欲しいのが文章の迷走でです。

 設定したプロットをそっちのけで関係のない話題がどんどん膨らむと、読みにくく混沌としているのに【キャラが生きている】【筆が自分で動く】なんて思い込んでしまうんです。

 制御しきれないまま放置すると本当に本当に読みにくくなるのにです。


 皆さんも経験ありませんか? 「番外編は良いからさっさと本編書けよ」って思ったこと。

 つまりそう思ってしまう作品は作者本人は【キャラが生きている】【筆が自分で動く】と思い込み次々と本筋に関係のない番外編を書いて読者を自分からパージしているんですね。


 この状態から元に戻る方法もあります。

 書き上げた作品すぐに公開せずに1周間置いてください。

 それから作品を読みなおしてください。多分この話必要?っておもえるかもしれません。


 ハウツー本などでよく間を置いて読み直せと言いますが、間を置く理由がちゃんと語られていない可能性があります。


 私が学院で習った間を置く理由というのは、書いている最中は【文に起こしていない多くの設定情報】が 頭の中に明瞭な状態で残っているため非常に読みやすく見えて勘違いします。


 ところが、時間を置いて【文に起こしていない多くの設定情報】が頭から抜けて一般読者に近しい状態で読むとなにこれ?って内容になっていたりします。


 昨今のネット小説は毎日更新するのが人気の秘訣みたいになっていますが、間を置いて読みなおす時間作ってみませんか?