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デスピサロがおきあがり彼氏を欲しそうにこちらをみている

エンタメ
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これは、僕が体験した一週間の物語である。

 

先日、僕は『リーダー育成研修』に参加してきた。

グループ会社の中堅社員が、田舎の研修施設に集まり、1週間かけて講義やグループワークに取り組む。

 

到着したのは北関東の山奥にある研修施設。

どうやら宿泊施設には温泉も流れているようだ。

ここで1週間、グループ会社の社員と交流しながら、ビジネススキルを身につけるのだ。

 

 

参加者は20人弱か。

男女比は、ほぼ半々のように見える。

研修初日は朝早くから講義が始まる。

僕らは挨拶する間も無く、指定された席に座った。

 

 

研修室は6〜7人ずつ3つのグループに分けられていた。

僕のグループは男3:女4の7人だ。

 

運が良いのか悪いのか、顔見知りの奴は全員別の班だった。

 

同じグループの男は…

1人は長友佑都(インテル)に似ている。

しっかりした顔立ちで筋肉質。性格も良さそうだ。

もう1人は、そうだな…しいて言えば有田哲平だろうか。

アゴの出ているひょうきんな奴だ。アゴはどんどんイジって良いらしいから、飲み会が楽しみだ。

 

テーブルは男女が対面になっており、僕らの目の前には女性が4人並んでいた。

 

例えるなら、左から大島優子いとうあさこ米粒デスピサロに似ていた。

 

左から大島優子いとうあさこ米粒デスピサロに似ていた。

 

 

 

デスピサロがいた。

 

 

僕は頭の中が真っ白になった。

 

目の前にデスピサロに激似の人物がいる。

相違点といえば、おそらく顔が2つは無いであろうことと、体が緑では無いことである。

 

注目せざるを得なかった。

 

そうこうするうちに、最初のマーケティングの講義が終わり、次にグループワークが始まった。

まずは自己紹介だが、いかんせん緊張しいの僕は、自分のことで精一杯で余裕が足りなかった。

全員の名前、所属と趣味程度は覚えたが、細かいことまでは覚えていない。

 

デスピサロの自己紹介もうろ覚えだが、『ひとりのこらず ねだやしに…』とか言っていたような気がする。

 

 

グループワークは、『ある企業の販売戦略をロールモデルに、仮定の商品の販売戦略を考え、発表する』というモノだった。

 

デスピサロは思ったよりもパンチの効いた女性だった。

PDCAどうのこうのの講義を聞いた直後に、 Dから始めて特攻するタイプだった。

 

余談だが、僕は決してデスピサロを悪く言っているわけではない。

誰でも『タイプ』はあると思う。

 

『ねぇ誰がタイプ?えっ!向井理?えーワタシ綾野剛の方が良い〜』

 

と同じように、

 

『えっ、あの4人の中で?うーん、僕はデスピサロさんよりも大島優子さんの方が好みかな〜』

 

という他愛も無い話である。

でもデスピサロはイノシシとか捕まえて食べてそうだった。

 

 

初日のプログラムが終わったのは午後6時。

講義漬けで疲れた僕は、部屋に戻り、夕食前に温泉に入ろうとしていた。

 

僕は温泉では浴衣に着替えるタイプである。 

部屋に備え付けの浴衣とTシャツ、そして替えのミッキーマウスのトランクス(大人用M)を持って風呂場まで歩いていた。

 

あろうことか、通り道の喫煙所では、デスピサロがタバコを吸っていた。

 

『(喫煙者なんだ…)』

 

という感想よりも、どうやってここを切り抜けようか焦っていた。

 

冒険開始直後の一本道の真ん中にデスピサロが立っているのである。クソゲーである。

 

会釈をしながら前を通り過ぎようとすると…

 

『あっ!みるおかくん!!』

訳:おのれにんげんどもめ

 

あぁぁぁぁあああっうあっあっ

 

『LINEおしえなよ

訳:ねだやしにしてくれるわ

 

うゎあぁくぁwせdrftgyふじこ

 

僕は頭が真っ白になった(2回目)

本日、初対面の魔王に『 LINEおしえなよ』と言われたのである。

『おしえてよ』の打ち間違いではない。

『おしえなよ』である。

 

そもそも相手が誰だろうと『LINEおしえなよ』といきなり言われれば、まぁまぁイラっとする訳で、ましてや魔王相手にプライベートを晒す訳がない。

 

『ごめん、今ケータイ持ってないから…』

 

『じゃあ明日ね』

訳:これで終わるとおもったか おろかものめ

 

『 個人情報だから。ごめんね。』

 

イラっときたので素っ気なくその場を立ち去った。

 

 

研修の最終日には『懇親会』が催された。

研修生全員でお酒を交わしながら、会話に花を咲かせる。

 

僕は酔った勢いで、

 

『ピサ子ちゃんにLINE聞かれたんだけど』

 

と暴露してしまった。

そしたらなんと、研修生の男全員がLINEを聞かれていた。

すると、ピサ子と同じ会社の女子社員が口を開く…

 

 

 

どうやらピサ子は、職場のメンズに片っ端から仕掛けては玉砕を繰り返し、職場内ではアンタッチャブルな存在になっているらしい。

オマケにLINEを交換すると、メッセージをばくれつけんの勢いで連投し、ドン引きさせることを繰り返すとのことだった。

あと後輩が寿出社を決めると露骨に無視するとのことだった。最早ばくだんいわだ。

 

僕は判断を誤らなかったことを、心から安堵した。

 

 

翌朝、僕は二日酔いで目が覚めた。

僕は、自分の部屋で生まれたままの姿で寝ていた。

そして僕のヘソ周りにはマジックで顔が描かれていた。

 

懇親会のあと、大島優子米粒長友と僕の4人で部屋飲みに移行したのは覚えているのだが、その後の記憶がない。

 

もしかしたら体育会系で調子の良い長友がイタズラしたのではないか。

 

『お前なんかやっただろー!!!』

 

僕が長友に突っかかると、長友が黙って、僕に動画を見せた。

 

そこでは、3人のヨイショに合わせ、僕が生まれたままの姿で、そして全力で腹踊り(BGMはR.Y.U.S.E.I/三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE)する映像が収められていた。

 

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 余談だが、僕は以前付き合っていた彼女としっぽりした後に、

 

中の下だよね』

 

と言われた経験がある。

 

そして今、問題なのが、僕の中の下を大島優子と米粒に見られていることである。

何よりも僕が中の下を晒しながらの腹踊りを、研修生で一番可愛かった大島優子が爆笑しているのがすごく恥ずかしく、そもそも僕の中の下中の下である事を映像に収められていることが緊急事態だ。

まずは僕の中の下が他の研修生に流れることを止めるのが先決であり、僕の中の下をあの4人だけの秘密にする必要があった。

 

だが、ここであってはならないことが起こった。

 

『ごめん…』

 

『見せ…たのか…?』

 

『みんな知ってる…』

 

この瞬間、僕の中の下は研修生全員に共有されたことを察した。

 

『ふざーけんなよー!!』

 

『だってお前ノリノリで踊ってたじゃん』

 

なんも言えねぇ…

ぶっちゃけ、別に怒ってなかったが、1つだけ確認する必要があった。

 

『デスピサロにも見せた?』

 

『うん、セリーナも見た』

※長友はデスピサロではなく『セリーナ・ウィリアムズ』に激似だと言い張っている。

 

 

終わった。

 

僕はもう終わったよ。

 

僕の研修はもう終わった。

 

半ば悟りを開いた僕は、『最終日で良かった』という感情とともに落ち着いた表情に戻った。

 

長友の愚行はジゴスパークに値するが、僕にも非がある。

 

そんなことを考えていた時、長友が口を開いた。

 

『ねぇみるおか聞いて…』

 

『なんだよ!』

 

 

 

『セリーナにデートに誘われた…』

 

 

 

 

 

 

 

 

長友は酔っていた時にデスピサロにLINEを教えていたらしい。

皮肉にも、長友のiPhoneに録画された僕の腹踊りをデスピサロに見せた際に、LINEの交換を迫られたらしい。

もちろん『今ケータイ無いから』は使えない。

 

長友は

『今日だけでメッセージが2ケタ来てる』

と嘆いていた。

 

僕らはそれぞれの会社に戻ったため、その後の経過は知らないままである。

長友の幸せな人生を願うばかりだ。

 

 

最後になるが、僕は研修生を類似の人間と植物と魔王に例えたが、最近の僕は、

『ゲス極の川谷絵音(ボーカル)』

に似ていると頻繁に言われる。

 

それでは、最後はこの曲でお別れしよう。

 

両成敗でいいじゃない

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みるおか