ベーシックインカム(以下BI)のメリットについてとても分かりやすくまとめた記事がありました。
そもそもベーシックインカムとは?
「すべての国民に対して、(働かなくとも生活できる程度の)一定のおカネを無条件で給付する制度」である。
ポイントは、
(1)年齢、性別、年収といったさまざまな属性や境遇に関係なく、「全員一律」であること
(2)働いていようが、働いてなかろうが、「無条件」であること
(3)給付されたおカネは食料品に使おうが、パチンコに使おうが、貯金しようが、自由にすることのできる「現金給付」であること
現在は、フィンランドで世界で初めてのBIが施行されようと検討されています。フィンランドでの支給額は11万円が濃厚。
また、永世中立国であるスイスでも約30万円のBIを導入するか国民投票を行う予定です。
今後、自動運転を筆頭にロボットの導入が本格化し、あらゆる職業の雇用が大幅に減ることが確実視されています。
その世界はぼくが生きている間に実現するでしょう。
そんな人間の仕事が失くなる時代が到来する中で、国民の生活を守る際に最有力視されている制度がBIなのです。
ベーシックインカムの5つメリット
BIのメリットを今回取り上げた記事では以下の5つを挙げています。
- シンプルであること
- 運用コストが小さいこと
- 恣意性と裁量が入らない
- 働くインセンティブが守られる
- 個人の尊厳を傷つけない
どれもとても大きなメリットですが、今回は5の「個人の尊厳を傷つけないこと」について書きます。
BIを導入することが、ぼくは貧困と犯罪を失くす一番のカギだと考えているのです。
BIによって国からお金が支給されることに負い目を感じなくなる
BIの第五のメリットは、給付を受ける者の心情的な側面に関するものである。
現行の生活保護を受けようとする場合、大半の申請者は精神的負い目を感じるものである。
窓口の審査では、個人的事情に関するさまざまな質問や詮索をされて、心が傷つくことも少なくないと聞く。
BIであれば、国民全員が一律に給付を受ける権利を有しているので、堂々とBIを受けることができる。
また、窓口でのやり取りすらもなくなる。このようにBIは個人の尊厳の尊重という面でもメリットは大きい。
この言及にぼくはとても共感しました。
そうです、現在の生活保護のイメージは皆さんにとっても全くよろしくないでしょう。
ネットでは、生活保護のことを「ナマポ」と揶揄し、「生活保護を受ける人間は負け犬」、「生活保護を受ける人間はゴミ」といった散々な言われようをしています。
パチンコやってるやつらそのものが害なのにナマポでパチンコなんて生きてる価値ないやろ
— 納税ニート (@neeeeee_s) 2016年3月15日
まずナマポ受給者が生きてる価値ないし
れっきとした国が作ったセーフティーネットにも関わらず、このような風潮が蔓延し、生活保護を受けること自体が「税金泥棒」のような扱いを受けています。
これでは、金銭的にも精神的にも貧困に陥って生活保護を必要としている人々も申請を拒否しますし、生活保護を受けた人も後ろめたさを持って生活してしまうのは当然です。
生活保護は、貧困を失くすための政策にも関わらず、思うように機能していないのが実情なのです。
また、ぼく自身も人間関係で孤立し、仕事もできない状態に陥って生活保護を受けないといけない状況だとしても、手を伸ばしたいとは心から思えません。それが本音です。
この風潮を消し去るのがBIなのです。
なぜなら、収入や生まれ、立場も関係なく全員に同額のお金が支給されるからこそ、全く落ち目を感じないからです。
スマートフォンの例が分かりやすいですね。
スマートフォンが出現し、「インターネットを国民全体に配ったこと」でネットはこれまでの悪いイメージから「常識」となり、無くてはならないインフラに変貌を遂げました。
これと同様に、BIによって「お金を国民全員に平等に配ること」で、国からお金を受給されることが「当たり前」となり、精神的な負い目から解放されます。
BIを導入することで最低限の生活水準が保障されるので金銭的にも精神的にも貧困に陥る人は極端に少なくなるでしょう。
時間的な余裕が生まれることで犯罪も減少する
貧困が無くなることで犯罪も減少傾向に向かうでしょう。
なぜなら、何もしなくとも最低限の生活が確保されるので精神的に追い詰められることがありません。
ということは誰かに攻撃的になったり、社会を恨む理由が失くなるのです。
少し古いデータですが、犯罪を犯した出身家庭の生活水準は以下のような割合になっています。
矯正統計年報2004年によると、全国の新収容者5248人の出身家庭の生活水準では、富裕層2.8%、普通層69.8%、貧困層27.4%となっており、 犯罪の度合いが重いほど、貧困世帯出身が多くなっている。
このように見ると、貧困層よりも普通層の方が犯罪は多いです。
しかし、これはあくまでも金銭的な水準でしかありません。
貧困というのは本来、「心も磨耗してしまっている人々」を指します。
金銭的には普通レベルだとしても、日々の仕事に追われ、お金を稼ぐことに目一杯の人々が社会にはたくさんいます。
そういった人々は心が貧困になってしまうのです。
お金のために犯罪を犯すことよりも、心が貧困で精神的におかしくなり犯罪を犯すケースの方が圧倒的に多い。
人が精神的におかしくなるのは「時間の余裕が無いから」です。
ぼく自身も昔、仕事ばかりしてほとんど時間的に余裕のない生活を送っていた時があります。
その時は常にイライラしていて、心が本当に乱れてましたね。
何かが口火になって犯罪を犯してもおかしくなかったと思います。
BIは何もしなくともお金が支給される制度です。
よって、心が乱れるほど仕事をがんばる必要がないということ。
そこには時間の余裕が生まれ、自分自身で時間をコントロールできるので心がイライラすることが極端に減ります。
働きたければ働けばいいし、働きたくない時は働かない。この選択肢があることは精神の安定に本当に効果的なのです。
お金にも時間にも余裕を生み出すBIは貧困と犯罪を減らすことは当然だとぼくは考えています。
BIこそ貧困と貧困から派生する犯罪を失くす最善のカギなのです。
高齢化が進み、企業競争 が激しい日本だからこそ、BIの導入を
現在の限られた人や対象しか国の恩恵を享受できない制度では、必ず誰かの恨みを買います。
特に金銭的な恨みは本当に醜いものです。
それによって小さな戦争が全世界で起きている。
どんな立場でも関係なく平等にお金を支給することで国民は納得するし、誰もが最低限度の営みができるようになれば世界は平和に向かうとぼくはおもってます。
日本はBIが導入されるとしても、後進国だろうと多くの人々が予想しています。
しかし、世界トップクラスに高齢化が進み、外資の参入で企業競争が激化し、いつ自分の勤める企業が潰れるかわからない社会で誰もが不安を抱えている。
そんな日本だからこそ、BIを世界でも先駆けて導入されることをぼくは強く望みます。
皆さんはどう考えますか?
わっしょい!