オープンソースOSの「Linux」を“がん”のようなものだと評してから15年、米Microsoftのスティーブ・バルマー元CEOはそうした姿勢を軟化させたようだ。
3月9日、米Fortune誌が開いた食事会において、バルマー氏は次のように語ったという。「当時の見解としては正しかったが、今はもうLinuxの脅威は過去のものだ」
「MicrosoftはLinuxとの競争で善戦し、大きな利益をあげた。Microsoftの収入源を守るためには、Windowsによって優勢を維持することが極めて重要だ」と同氏。
Microsoftは最近、反Linuxの姿勢を和らげており、3月7日にはデータベースソフトウェア「SQL Server」のLinux版を提供する計画を明らかにしている。
バルマー氏はこの発表を「うれしく」思い、Microsoftの現CEOであるサティア・ナデラ氏に賛同のメールを送ったという。
さらにバルマー氏は昨年12月のMicrosoft株主総会で自らが指摘した、情報開示についての要望を再び口にした。同氏は、Microsoftはソフトウェア、ハードウェア、クラウド事業の売上高と純利益についてもっと詳細に開示すべきとの考えだ。
バルマー氏は2000年1月にMicrosoftのCEOに就任したが、直後にITバブルが崩壊し、IT関連株の値下がりがその後何年も続いた。バルマー氏がMicrosoftのCEOに就任し、2013年に退任を発表するまでの間に、同社の株価は40%以上値下がりした。
一方、ナデラ氏が2014年2月に新CEOに就任して以来、Microsoftの株価は50%以上上昇している。
バルマー氏はナデラ氏の手腕を概ね評価しており、市場センチメントが変化した一因として新CEOの就任を挙げている。
「人が変われば、市場の認識も変わる」と同氏は語る。
またバルマー氏は自身の前任であるビル・ゲイツ氏とはもはや親しく交流していないことを明らかにし、「2人はそれぞれ自分の道を進んでいる」と語った。
バルマー氏の楽観的な姿勢には、ヨガの影響もあるのかもしれない。かつて非常に情熱的な語り口で知られたバルマー氏は、MicrosoftのCEOを退任後、ヨガを始めたという。
「運動したり、瞑想したり、くつろいだりする時間がたくさんある。素晴らしいことだ」と同氏は語る。
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