以前、一緒に仕事をしていた女性社員から、「3月で退職する」とのメールがきました。
4年前に、別の事業所に転勤してからは、メールでしかやり取りしていないのですが・・・、彼女は、異動後まもなく結婚し、第一子を授かりました。
育休ののち、一旦、職場復帰したものの、今は4月の第二子出産に向け産休中なのです。
通常でしたら、出産後は育児休暇を取得し、1年か1年半後には職場復帰します。
でも、彼女は出産を前にして退職を決めたのですね。
メールを読んだときは、「辞めるのは、もったいないなぁ」と思いました。
しかし、退職理由として「日ごろから、子どもをもっと丁寧に育てたいと思っていた」と書かれていたので、働きながらの子育てで、いろいろと大変な思いをしていたんだろうなぁ、とも思ったのです。
重い決断だったが、スッキリしたとのこと。これからも、充実した良い日々を過ごしてもらいたいと願うばかりです。
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さて、彼女は育児に専念するために、退職という道を選びました。
とても恵まれた環境にあると言えるでしょう。
と言うのも、同じく小さい子どもを育てているお母さんで、育児に専念したくても出来ない人が、たくさんいると思われるからです。
さらに、そのために子どもを保育園に預けようとしても、預かってもらえない人も・・・。
『保育園落ちた日本死ね!!!』というブログ記事、大変話題になりました。
読まれた方、多々、いらっしゃると思います。
この記事に対して、とある女流作家が「四畳半一間に暮らせば、奥さんは働かなくて良い」という発言をしておりました。
*この人、これまでの数々の発言、特にアパルトヘイト発言やら「老人の死ぬ義務」発言やら(尊厳死のような「死ぬ権利」だったら、まだ分かるのですが・・・。しかも、ご本人は、随分と高齢なんですけどねぇ)、報道されている内容が事実であれば、ボケているとしか言いようがないです・・・。
四畳半一間に暮らしていたかどうかは別にして、昔は子育てする母親は、仕事をやめて育児に専念する、と言うスタイルが多かったのでしょう。
ところが今は、そうしたくても出来ない「働かざるをえない育児ママ」の数が増えたのだと思います。
そして、働かざるをえないのは、経済的な理由によるところが大きいと思っています。
*ボケたばあさんは、「昔がそうだったんだから、今の人も生活レベルを落とせばよい」みたいなことを言ってる訳です・・・(苦笑)。
そもそも、少子化が進んでいて、出生数はピーク時の半分程度になっているわけです。
何十年か前に創立された小学校などは、空き教室だらけになってますからね。
一方、厚生労働省のHPを見ると、保育園の数、受け入れ数は増えています。
にも関わらず、数が足りていないというのは、核家族化の進展以上に、育児ママが働かざるをえない状況になってしまったから、としか考えられないのです。
*もちろん、経済的問題以上に、生き様として仕事を続けたいという人も増えていると思います。
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母親であれば、子どもが幼い時期は、仕事よりも子育てを優先したいと考えるものだと思います。そして、できるだけ一緒に過ごしたいとも思うでしょうね。
仕事のために、保育園に子どもを預けることになったとしたら、「どう過ごしているかな?」と日中、気になって仕方がないでしょう。
もちろん、毎日の送り迎えや、体調不良など急な呼び出しにあわてて駆けつける。その間、仕事に穴をあけ、同僚に対して負い目を感じる。
このように、子育てにも仕事にも負担が多い生活を強いられるわけです。
一方、子どもを認可の保育園に預けられなかった人たちは・・・。
高いお金を出して無認可の保育園に預けるか、仕事を辞めるか。
そんなこんなを考えると、チマチマとお金と時間をかけて保育園を増やすくらいなら、いっそママが育児に専念できるだけのお金を国が直接出せばよいのに、と思ったのです。
月数千円程度の手当金ではなく、乳幼児一人あたり毎年100万円支給したらどうかと。
100万円あれば、ママは働かなくても子育てに専念出来ると思うのですが・・・、いかがでしょうか?
また、仕事と育児を両立させたい人は、保育園を利用すれば良いと思います。おそらく待機児童問題はクリアされているでしょうから。
さらに、「お金の心配をしなくて良いのであれば、子どもを作ろう」という人たちも出てくるはずです。
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小学校入学までと考えると、おそらく、年間7~8兆円規模のお金が必要になります。この財源をどうするか、という問題がありますよね。
そして、お金以外にも、さまざまな課題が考えられます。
残念ながら、今の日本ではそれらの課題をクリアできないでしょうから、「子育てに専念できるお金を支給する」というアイデアは現実的ではないと分かっています。
*選挙前に老人に3万円を配ることは、平気でできるんですけどね。
でも、就労と育児環境という問題、そして、少子化の問題は、「子どもを作り、育てるのは、個人の問題ではなく、国全体で行うべきこと」と発想をかえて臨まないと、もう、どうにもならないのではないか、と思っています。
以上です。