違法移民送還支援で合意へ「あらゆる手段使う」
【ブリュッセル斎藤義彦】難民問題を協議する17日からの欧州連合(EU)首脳会議で、ギリシャからトルコへの「違法」な移民の強制送還を「あらゆる手段を使って支援する」ことで合意することがわかった。8日の首脳会議より強い表現で、「違法移民」の強制送還への決意を示す。毎日新聞が入手した首脳宣言案で判明した。
宣言案は「違法な移民をトルコに送還するため、あらゆる手段を使ってギリシャを支援する」と表明する。「違法移民」の送還でトルコと基本合意したことを受けた8日の首脳宣言では、「総合的で大規模な送還を支援する」としていた。
さらに、「違法な移民の新しいルートが開かれる可能性について極度に警戒する必要がある」と記した。ギリシャからバルカン半島を陸路で北上する「バルカンルート」が事実上閉鎖されたのに伴うものだ。
一方、約4万人の難民が滞留するギリシャには「緊急人道支援」を行い、ギリシャからEU加盟国に送り出す「強制割り当て」の「加速化」を求めた。加盟国にはより多くの難民受け入れを促した。