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阪神と西武もやりとり常態化

 プロ野球・巨人の選手が公式戦の勝敗に絡んで現金をやりとりしていた問題で、阪神、西武の2球団も15日、自チームで同じような金銭のやりとりが常態化していたことを明らかにした。

     阪神の四藤慶一郎球団社長によると、試合前に組む円陣での「声出し役」が、場合によって他の選手から集めた現金を「祝儀」として受け取ることが5年前から慣例となっていた。声出し役は試合に勝つと続けるシステム。3連勝すると、投手を除くベンチ入り選手が1人5000円ずつ渡し、その後も白星が続いた場合は、1勝ごとに1人5000円を集めていた。

     阪神は昨季、最長で6連勝があり、このケースでは計30万円程度の祝儀が集まったことになる。2014年には試合前練習でのノックでミスが出た場合、1回につき500円を「罰金」として徴収。集めた現金は蓄えておき、選手同士での食事会の費用などに充てていた。

     また、西武も同様に野手が中心となる円陣の声出し役が、一定の連勝で他の選手から1人1000円ずつを受け取っていた。数年前から始まり、投手陣ではノックでミスをした選手が数百円程度の「罰金」を支払い、シーズンオフの選手会行事に使っていた。

     一方、中日ではシートノックの際にミスをした選手から罰金を集め、児童養護施設への寄付に充てていたという。

     阪神、西武は、14日に巨人での選手間の現金のやりとりが明らかになったことで、改めて内部調査して発覚。巨人は勝った場合に、声出し役が他の選手1人から5000円ずつを受け取り、負けると各選手に1000円ずつ支払っていた。

     日本野球機構(NPB)は14日、野球協約で禁じられている「敗退行為(八百長)につながる可能性が低い」として協約違反には当たらないとの見解を示している。ただ、昨年10月に発覚した巨人の3投手が関与した野球賭博問題を受け、今年1月に熊崎勝彦コミッショナーが「野球に関する金銭授受の全面禁止」を全12球団に通達していた。

     阪神の四藤球団社長は「改めて現場にも徹底するが、倫理の問題が問われている。再発しないように徹底していく」と語った。【藤田健志、中村有花】

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