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新たに不正会計58億円 決算修正公表せず

 東芝は15日、不正会計問題に絡んで、新たに7件の不正な会計処理があり、税引き前利益を計58億円かさ上げしていた、と発表した。既に2015年9月中間決算などで損失処理したが、当時は問題を公表していなかった。東芝の不正会計問題を巡っては同社の隠蔽(いんぺい)体質が問われていただけに、新たな不正発覚で信頼回復はさらに難しくなりそうだ。

 不正は10年度から14年度にかけ、国内子会社などで行われた。本来はシステムの保守サービス費用を製造コストとして費用に計上すべきだったのに、資産に計上することで利益を水増しするといった手法で行われた。一つの手法で25億円の損失計上が必要なケースもあった。

 東芝は昨年9月、税引き前利益のかさ上げ額が累計2248億円に上ったと公表。今回判明した分は、その後の調査で分かったもので、9月以降に公表された中間決算などで損失として処理した。その際に、かさ上げ額が2300億円を超えると説明すべきだったが、東芝は「広報部門などに情報が届いておらず、会見で公表できなかった」と釈明。情報通信担当の錦織弘信上席常務と子会社の役員ら計7人を報酬15〜20%を3カ月返上することにしたほか、関与した社員も懲戒処分とした。

 東芝の不正会計を巡っては、昨年11月に米国の原子力子会社「ウェスチングハウス」の過去の損失処理の公表が遅れ、批判が集まっていた。この時は、室町正志社長が会見を開いて積極的な情報開示を約束したものの、今回の問題では記者会見を開かず、隠蔽体質の根深さを改めて示す形になった。【片平知宏】

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