「保育園落ちた日本死ね」というブログを発端に、安倍政権に対して急速に不満が拡大している待機児童問題に関し、14日の参院予算委員会で質問した自民党の藤井基之議員が、保育所と保健所を、言い間違えるひと幕があった。

 安倍晋三首相への質問の中で、「『保健所』落ちたよ、これでは仕事が続けられないよ、という声が広がっている」と、発言した。与野党とも特に藤井議員を追及することなく、質疑はそのまま続いた。

 11日の参院本会議で、首相自身が「保育所」を「保健所」と言い間違え、批判されたばかり。自民党内の緊張感のなさとの批判が広がる可能性もある。

 首相はこの日の質疑で、待機児童問題について、「働く方々の気持ちを受け止めながら、待機児童ゼロに向けて万全を期したい」と述べた。藤井議員から、待機児童解消や保育士の待遇改善について「一刻を争う加速化が必要だ」と指摘され、「子育てと仕事を両立したい人を、温かくサポートできる社会でなければならない」などと応じた。

 首相は先月29日の衆院予算委員会で、民主党の山尾志桜里議員から初めてこの問題を問われた際、ブログが匿名であることを理由に、ブログへの感想も含めて答弁をしなかった。

 この時の首相の対応が、子どもを保育所に入れられない母親たちの怒りに、さらに火を付け、「保育園落ちたの私だ」と名乗る声が続出。安倍政権や自民党はあわてて対応に乗り出し、母親らの代表から提出された2万8000通近い署名を、塩崎恭久厚労相が受け取る状況に追い込まれた。

 しかしその後も、首相の「保健所」発言が重なり、かみ合わない対応が続いている。