Special Interview 松井玲奈さん(ドラマ『フラジャイル』MR・火箱直美役)
公開日時 2016/02/29 04:59
「MRは素敵な仕事です」
信念を持ち、相手を思って仕事する人は、かっこいい
病理医を主人公にした人気テレビドラマ『フラジャイル』(フジテレビ系)に、MRが登場する。ドラマや映画にMRが登場するのは、とても珍しい。そのMR 「火箱直美」を演じるのは、元SKE48で、いま女優として活躍する松井玲奈さん。医療者に媚びるような振る舞いをしつつも、自らの仕事は患者のため、医療のためにあるという信念、情熱を秘める火箱の姿は、現実のMRの姿と重なるところも。松井さんは、MR・火箱をどう演じ、MRがどのように映っているのだろう。自身の仕事のスタイルを含め、うかがった。
――ドラマではMR役です。MRって?と困惑したのでは。
今回初めて製薬会社の営業の人なんだということが分かりました。でも、周りにMRの方はいませんし、どんな感じの人なんだろうと。大学病院の先生と お会いした時に、印象をお聞きする機会があり、イメージするのによいきっかけになりました。自分たちが販売する薬に、熱意、思いがあり、忙しいお医者さんを、ずっと待っている粘り強い人が多いとのことでした。
――火箱直美をどう捉えてますか?
原作を読むと、仕事のために何でもする、したたかな悪い女みたいに思われるかもしれませんが、その一面だけを見て、悪く思わないでほしいです。彼女 は自分なりの信念を持って、自分が扱っている薬剤は、治療に必ず役に立つと信じて、仕事をしているんですね。その中にあって自分の仕事に対する考え方と、 医療現場との違いに気付く場面もあります。そこを乗り越え、また一つ階段を上って成長する姿があり、そうして成長していく仕事の仕方は好きだなと思いました。
原作には、まだドラマでは描かれていない、そのような姿もあるので、その姿もイメージしながら演じるようにしています。自分の仕事に自信と熱意を持つというのは大事なことだと思います。中途半端な気持ちでプレゼンされたら、薬を使う方だって怖いですよね。
――医療の見方って変わりましたか。
デリケートな現場なんだなと思わされます。製薬会社のことも、自分なりに調べたりしたのですが、店頭に並んでいる薬だけでなく、新しい薬をどんどん出していることも知ったり、印象がずいぶん変わりました。
――編集部の調査では、MRは自身の存在意義に悩む人が増えています。松井さんにとってかっこよく働いている人ってどんな人ですか?
やはり信念を持っていること。自分がどうしたいのか、絶対的なものがある人。どんなお仕事にも、その先には相手がいますので、相手のことを考えて仕事できる人。信念と熱意をもって頑張っている人ですね。
――ですが、意に沿う仕事ばかりではないのも現実です。
そうですね。でも、嫌なことがあっても、辛い仕事、大変な仕事もひとつの経験だって考えます。嫌だ、辛いと逃げるのではなくて、しっかり向き合ってみることが大事だと思っています。
――読者にメッセージを。
MRは素敵な仕事だと思っています。その仕事の向こう側には、届けるお医者さんがいて、お薬を使うことで、元気に過ごせるようになる患者さんがいます。私たちの生活の支えにもなっているお仕事ですから、頑張ってほしいです。MRは、演じることを通じて知ることができて良かったと思えるお仕事です。
(聞き手 酒田 浩)
Profile
松井玲奈(まつい・れな)
1991年7月27日生まれ 愛知県出身。身長162cm。
2015年8月にSKE48を卒業後、女優に。『フラジャイル』は、全国放送連続ドラマへの初出演作となる。MR・火箱直美役。役作りで髪を約15cmも 切った。切ることに躊躇はなかったそうで「お芝居では、いろんな人になれる機会があって、そうやって変身していけることが楽しいなと思っています」。
|
Information
 |
©フジテレビ |
テレビドラマ『フラジャイル』(フジテレビ系毎週水曜夜10時放映):病理医にスポットを当てた異色の医療ドラマ。主人公 の病理医・岸京一郎の能力は唯一無二だが、患者の命を救うという「医療の正義」を追求するあまり、相手を選ばない容赦ない攻撃的な姿勢が波乱を巻き起こす。岸の闘いと活躍を描く。火箱直美は、「苦しむ患者をひとりでも多く助けたい」と信念のために手段を選ばないMRとして描かれる。同名漫画が月刊「アフタヌーン」(講談社)で連載中(草水敏・原作、恵三朗・漫画)。
|