従業員のパフォーマンスを左右する6つの動機
トータルモチベーションと企業文化【前編】
優れた企業文化は成り行きの産物ではなく、それを築くための方法論があり、その価値には科学的な根拠がある。文化の変革を長年支援してきた筆者らによれば、カギは「人間が働く6つの動機」をどう管理するかであるという。本稿は前後編の全2回。
先日我々は、某フォーチュン500企業の幹部が集まる戦略会議に出席した。そこでは「文化」という言葉が、90分の会議中に27回も飛び交った。ビジネスリーダーは、会社の成功には優れた企業文化が不可欠だと考えている。だがその一方で、文化とは一種の魔法の力のようであり、操る術を心得ている者はごく少数だと思われがちだ。ゆえに、ほとんどの幹部は直感に頼って文化を管理しているといえる。
しかし我々の研究によれば、次の3つの問いに答えを出すことによって、企業文化という謎めいたものは科学になりえる。すなわち、(1)文化はどのようにパフォーマンスを左右するのか、(2)文化にはどんな価値があるのか、(3)組織内のどんなプロセスが文化に影響を及ぼすのか、である。
本記事ではこれら3つの問いを検証することで、高いパフォーマンスをもたらす企業文化はどうすれば築けるのか、そして収益にどう影響するのかを示したい。
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