岩佐友、山下裕志
2016年3月15日20時11分
2005年に起きた栃木県今市市(現日光市)の小1女児殺害事件で、殺人罪に問われた無職勝又拓哉被告(33)の裁判員裁判は15日も、宇都宮地裁で自白の任意性に関する審理が続いた。検事による取り調べの録音・録画が再生され、被告が殺害状況を説明する場面も映し出された。
殺人容疑で逮捕された後の14年6月中旬の取り調べでは、検事が「事実を話さなくても警察は全く困らない」「逃げないで人としての道を歩むのが大事だと思わないか」などと説得した後、「(女児を)殺したのは君だね、拓哉君」と質問すると、被告は「はい」と答えた。
殺害の理由を問われると、被告は「顔も車もアパートも見られている。このまま解放してしゃべられたら、(自分の)姉や母、妹が困ることになるから殺すしかないと思った」と返答。「(女児を)立たせたままバタフライナイフで5回くらい刺した。ひざが曲がって倒れたので、さらに5回くらい刺した」と身ぶりを交えて語ったうえ、殺害を認めたことで「すごい楽になった」と話す場面もあった。
一方で被告はスタンガンを女児の右腕にあてたと説明。検事から「傷がある首にあてた可能性はあるか」と問われて「そうかもしれない」と発言を修正する場面も映された。
裁判で被告は無罪を主張しており、取り調べでの自白の任意性と信用性が大きな争点になっている。(岩佐友、山下裕志)
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朝日新聞社会部
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