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■ウォッチ 米大統領選2016

 ミシガン州フリントは米国を代表する企業、ゼネラル・モーターズ(GM)が誕生した場所として知られる。本社が、約90キロ南に離れた同州デトロイトに移転した後も、自動車の街として栄えた。

 デトロイトと同様、近年のフリントは米国の自動車産業とともに衰退し、人口減や空洞化に悩んできた。そんな中、水道水が鉛に汚染されるという問題が新たに発生し、大統領選でもしばしば登場するようになっている。

 フリントに住むジーナ・ラスターさん(41)は健康被害に悩む1人。2年前から体重が20キロ以上減り、髪の毛も抜け、体中に湿疹ができた。さらに、7歳の娘の健康も心配だ。「彼女は体が痛いと苦しみ、私に『死んでしまうの』と聞いてくる。子供がそんな質問をしなければいけないなんて」と嘆く。鉛汚染の健康被害は特に子供が受けやすく、発育や知能にも影響が出るとされている。