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■南十字星の下で

 オーストラリアの人口が2月16日、2400万人を超えた。国内最大の都市であるシドニーも、今年中に人口500万を突破するとみられている。

 それでも、この街で普通に暮らしていて「人が多い」と感じることは、まずない。日本の20倍もある国土に、5分の1程度の人しか住んでいないのだから当然ではある。

 これまで、ラグビーやテニスのような人気スポーツの試合を直前になって観戦したくなった時も、「チケット売り切れ」だったことはない(スタジアムが大きいせいもあるだろうが)。東京で地獄のような通学・通勤ラッシュを経験した身としては、「人と空間にゆとりがあるなあ」といつも感動している。

 ただ、人口増加率でみると、オーストラリアのそれは、先進国としては非常に高い。今回の「2400万人超え」も、2300万人目を記録した日から、2年9カ月と2日しかかからなかった。

 人口が1900万人に達した1999年に、オーストラリア統計局(ABS)は「2400万人となるのは2033年」との推測を示した。実に17年も早まったことになる。さらに、1200万人に達したのは68年で、人口が48年で2倍に増えたわけだ。

 各種の人口予測によると、オーストラリアの15~20年の人口増加率は9%で、マイナス2%の日本はもちろん、インド(7%)やブラジル(4%)よりも高い。理由は、オーストラリアの人口増の要因には、「出生による自然増」と「移民受け入れによる増加」の二つがあるためだ。

 オーストラリアの人口増のうち、約6割は移民によるものとされている。「来た移民数」から「去った移民数」を引いた「純流入数」は、ピーク時の2008年に約30万人に達した。政府は毎年、移民政策を作成して受け入れ枠を決めており、今年も約19万人を受け入れる見込みだ。

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