2016年3月15日20時30分
2005年に起きた栃木県今市市(現日光市)の小1女児殺害事件で、殺人罪に問われた無職勝又拓哉被告(33)の裁判員裁判。15日の法廷でも取り調べの録音・録画が再生された。2014年6月11日の検事と被告のやりとりは次の通り。
◇
検事「事実を話さなくても警察はまったく困らないから。わかる?」
被告「はい」
(中略)
検事「拓哉君、大事なのは人間としての道だ。被害者も、被害者の家族も、拓哉君の家族も拓哉君もハートを持っている。人としての道なんだよ、大事なのは。『人間らしく生きる』って言ってみてくんない?」
被告「人間らしく生きる」
検事「逃げちゃうのは簡単。今この瞬間は、忘れたい過去を心臓えぐられちゃうくらいにストレートに聞かれるけど、逃げちゃだめだよね」
(中略)
検事「(14年2月24日に母親に送った手紙は)僕が聞きたい真実、事件を起こして申し訳ないという気持ち?」
被告「はい」
検事「言ってみてよ。どういう事件を起こして申し訳ないという気持ちで書いたの?」
被告「……」
検事「口先だけで言ってもらう必要はないの。心の底からちゃんと人としての道を示してよ。逃げちゃダメだって。女児を殺したのは君だね?」
被告「うん」
検事「君だね?」
被告「はい」
検事「君が殺したんだね?」
被告「はい(はっきりとした声で)」
検事「きょうは調書取らないから。心の底から言えてる?」
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朝日新聞社会部
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